ダイワ通信:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】
| ●ダイワ通信 <7116> [東証S] レーティング:NEUTRAL(2024/10/1)→ NEUTRAL ◆防犯・監視カメラやカメラシステムの販売・施工を成長の牽引役に ◆不適切な会計処理、関連当事者取引における不適切な手続きが発覚 ◆前期は最終赤字、今期予想は未定 |

(注)2021年12月31日付で株式1株につき1,000株の割合で株式分割を実施しており、22/3期のEPS・1株配は当期首に分割が行われたと仮定して算定。
◆防犯・監視カメラやカメラシステムの販売・施工を成長の牽引役に
成長の牽引役と位置付ける「セキュリティ事業」は防犯・監視カメラやカメラシステムの販売・施工、人工知能(AI)を活用したカメラによる画像解析ソリューションの提供を手掛ける。もう1つの柱である「モバイル事業」はソフトバンクショップを石川県・富山県で10店舗運営する。「モバイル事業」で得た安定収益を「セキュリティ事業」の拡大に充てることで成長を目指す。
◆不適切な会計処理、関連当事者取引における不適切な手続きが発覚
①不適切な会計処理(2月に第三者委員会を設置、4月に調査報告書を受領)
セキュリティ事業を担う子会社(ディーズセキュリティ株式会社、以下DSS)において、予算達成プレッシャーを受け、DSS取締役主導のもと、収益認識の要件を満たさない売上の先行計上、過大計上が行われていた。また、常務取締役(兼DSS代表取締役)と取締役管理部長は、不正が継続的に行われていることを認識しながらも是正措置を講じていなかった。
②関連当事者取引における不適切な手続き(6月に特別調査委員会を設置、7月に調査報告書を受領)
代表取締役(当時)に関する取引について、利益相反取引及び関連当事者取引に該当するにもかかわらず適切な手続きがなされておらず、一部経費について適切な稟議手続きがとられていなかった。
①の調査報告を受け、東証より新規上場申請時の宣誓書違反、新規上場基準への不適合が認められるなどとして、再審査に係る猶予期間に入る旨の通知を受けた。上場を維持するには、来年6月19日までに審査申請または市場区分の変更申請を行い、その後の上場適格性の審査に適合すると認められる必要がある。
また、株価下落を背景に「流通株式時価総額」が3月末に9.5億円となり、東証スタンダード市場の上場維持基準(10億円)を下回った。来年3月末までに改善しなければ、同10月1日に上場廃止となる。流通株式数を3月末と同じと仮定すると、上場廃止回避には現在の株価(9月18日終値1,022円)から1割近く上昇することが求められる。
信頼回復、上場維持のためには、早急に不祥事の再発防止に取り組むことが不可欠だ。会社が公表した再発防止策は、①ルール遵守体制の強化、②情報収集体制の拡充、③取締役による関連当事者取引及び利益相反取引に対するガバナンス機能の強化、④管理部の体制の見直しと拡充、⑤子会社の体制の見直し、⑥内部監査機能及び監査役機能の強化、⑦リスクの検証等を担う会議体の運用の見直し―からなる。加えて、関係者の処分を行い、代表取締役(当時)は辞任(業務委託契約を締結するなどして経営に関与しない形で、DSS事業に関与する予定)、常務取締役と取締役管理部長は取締役を外れる(執行役員として業務に従事。常務取締役はDSS代表取締役再任予定)。
◆前期は最終赤字、今期予想は未定
業績に関しては、2021年3月期~前期(2025年3月期)第2四半期の決算を訂正し、延期していた前期の第3四半期と通期の決算を発表した(資料1、出所:リリース)(資料2、出所:決算短信・有価証券報告書・リリース)。前期は防犯需要の高まり、全国に販売網を持つ大手事務機器メーカー・大手警備会社との連携強化により、防犯カメラの販売が伸び、増収・営業増益だった。一方で、今回の調査や決算訂正等に絡む費用(特別調査費用等引当金繰入額)5億8000万円を特別損失に計上したことを主因に、最終赤字に転落した。
(資料1)過年度決算の訂正

(資料2)業績の推移


(注)セキュリティ:特需 … 新型コロナウイルス感染症対策商品で、温度測定のみを目的とした温度測定機能付顔認証デバイスの販売分等
今期(2026年3月期)会社予想は合理的な算定が可能となった時点で開示するとし、第1四半期決算もまだ開示されていない。
様子見が賢明だ。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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金融商品取引業者 北陸財務局長(金商) 第3号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
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※今村証券より提供されたレポートを掲載しています。
株探ニュース