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伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 10月26日版

市況
2025年10月26日 13時35分

日経平均は極端に勢いの強い上げ場面へ入っている公算も

1. NYダウは年末まで上昇を継続する可能性が出てきた

NYダウは、上値を抑えられやすい9月に年初来高値を更新している場合、「10月、11月頃までの期間で9月の安値を大きく下回るパターン(以下、弱気パターン、1991年、2012年、2013年、2014年、2018年)」、「9月の安値へ接近することなく、年末頃まで上昇の流れを継続するパターン(以下、強気パターン、1995年、1996年、2003年、2006年、2009年、2017年、2024年)」のどちらかの展開になっています。

弱気パターンになる場合、本年のNYダウは、9月の高値付近で上値を抑えられた10月21日の高値4万7125ドルが戻り高値となって、9月の安値以下を目指す動きになっていたと考えられます。

10月24日に4万7125ドルを超えて年初来高値を更新したことで、本年のNYダウは強気パターンになる可能性が大きくなったと言えます。

以下では、強気パターンとなった年の展開を順番に見ていきます。

1995年は、9月中旬から10月下旬まで保ち合いとなった後、10月26日から上昇を開始して、12月14日までほぼ一本調子に上昇しています。

1996年は、10月下旬まで緩やかな上昇の流れを作り、10月29日から11月26日まで日足で陰線をほとんどつけることなく上昇しています。

2003年は、9月から11月まで上値を切り上げる保ち合いの動きとなって、11月21日から翌年1月26日まで一本調子に上昇しています。

2006年は、7月18日から翌年2月20日まで緩やかにはっきりとした上昇の流れを継続しています。

2009年は、9月から11月まで上値を切り上げる保ち合いの動きとなった後、11月2日から翌年1月19日まで上昇の流れを作っています。

2017年は、8月21日から翌年1月26日までほぼ一本調子に上昇しています。

2024年は、8月5日から12月4日までジグザグに振れていますが、はっきりとした上昇の流れを作っています。

過去の値動きを参考にすると、本年のNYダウは「5月からの緩やかな上昇の流れを年末まで継続する」、または「10月14日以降、または10月末頃から一本調子の上昇の流れへ入る」という展開のどちらかになると考えられます。

図1は、NYダウの日足と今後の予想線です。週明け後の価格が続伸する場合、10月14日以降、一本調子の上昇の流れへ入っているという見方が有力になります。

週明け後の価格が下げるなら、ジグザグに推移するか、10月末以降に一本調子の上昇の流れを作る展開が考えられます。

ジグザグなら4万6000ドル前後、一本調子なら4万6500ドル前後が下値の目安になります。

注意しておきたい点は、週明け後に価格が下げる場合、24日の高値4万7326ドルが戻り高値となって、9月の安値以下へ下げる可能性を残していることです(終値ベースで超えたばかりなので、まだ10月3日の高値4万7049ドルが意識されている可能性のある地点です)。

弱気の展開になる場合、10月末には10月14日の安値4万5452ドル以下へ下げていると考えられます。

週明け後、下げ幅の大きな動きになるなら、弱気パターンになる可能性を頭に入れておきます。

図1 NYダウ(日足)と今後の予想線

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