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NT倍率、東証によるTOPIX「第2段階の見直し」【フィリップ証券】

市況
2025年11月12日 15時55分

11月第1週は、歴史的上昇相場となった10月から一転し、下落基調で始まった。連休明けの11/4、5万2636円の高値を付けた後、翌日には4万9073円まで下落する場面があった。その契機となったのは、香港で開催された金融サミット「グローバル・フィナンシャル・リーダーズ投資サミット」における米金融大手トップの発言だった。モルガン・スタンレーのテッド・ピックCEOとゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOが揃って株式市場が調整局面に向かう可能性があると警告したことを受けて、米株式市場でハイテク株の過熱に対する懸念が意識された。それを受けて、今まで日経平均株価を主に押し上げていた一部のAI(人工知能)・半導体銘柄を中心に売りがかさんだ。

米国株市場では、米中貿易摩擦の緩和が材料出尽くしとなったほか、米FRB(連邦準備理事会)による利下げ観測に後退の兆しが見えた。そして、米連邦政府機関の一部閉鎖が過去最長の35日間を超えつつある中、トランプ関税に関する連邦最高裁の審理開始など、投資意欲を冷え込ませる不安材料が重なっていたところだった。

一部のAI・半導体関連銘柄に偏った日経平均株価の押し上げ効果は、日経平均を東証株価指数(TOPIX)で割った「NT倍率」の急上昇に反映されている。日本株市場が調整局面入りするとすれば、NT倍率の低下が見込まれる。

TOPIXについては、2022年4月の東証による市場区分再編を契機として大幅な見直しが行われている。TOPIXの投資対象としての機能性を高める「第1段階の見直し」として、流通株式時価総額100億円未満銘柄の段階的除外が2025年1月末に完了した。

「第2段階の見直し」は、流動性(年間売買代金回転率)と浮動株時価総額を基準とした定期入替えを中心に、2026年10月最終営業日から本格的に実施される。現在は「移行準備期間」として、段階的な調整と試算公表が行われているところである。その一環として、今年10月末には、1-3月決算企業について政策保有株式を除外した影響を反映した浮動株比率の見直しが行われた。「第2段階」の定期入替え基準を満たさない銘柄(移行措置銘柄)に対して、一括除外による急激な変化を防ぐため、2025年10月末を第1回目として四半期ごとに段階的に8回にわたって指数に対するウエイトを低減する。最終的には2027年7月末に全移行措置銘柄がTOPIXから除外される。このようなTOPIXの見直しにより、中長期的にもNT倍率の低下が見込まれる。

■ビットコインは米国株の先行指標~今年1月から3月と類似した展開か

代表的な暗号資産であるビットコイン(日次終値)は10/6に12万5000ドル超の史上最高値まで上昇後、11/4に10万ドル近辺まで約2割下落。2024年4月に新規発行量が半分になる「半減期」が訪れてから1年半経過し、相場のアノマリー(経験則)から下落局面入りが警戒されていたが、強気相場が継続していた。米FRB(連邦準備理事会)のパウエル議長が10/29、FOMC(連邦公開市場委員会)後の記者会見で利下げ観測を牽制したことからビットコイン価格が下落を加速し、アノマリーが再び注目され始めた。

ビットコイン価格と米国株のS&P500指数はリスク資産として同様の値動きをたどる傾向がある中、今年1-3月にビットコイン価格の下落が先行し、S&P500指数の下落が後に続いたことが注目される。

【タイトル】

参考銘柄

ニッスイ<1332>

・1911年に田村市郎が下関で創業し、トロール漁業に着手。漁撈・養殖など水産事業、食品の加工・チルド等の食品事業、医薬原料・機能性食品等のファイン事業、冷蔵倉庫等の物流事業を展開。

・11/6発表の2026/3期1H(4-9月)は、売上高が前年同期比2.8%増の4529億円、営業利益が同14.6%増の197億円。主なセグメント別営業利益は、水産事業(売上比率39%)が73%増の60億円、食品事業(同53%)が3%増の168億円。養殖や北米水産加工の改善のほか、国内チルドが好調。

・通期会社計画は、売上高が前期比1.6%増の9000億円、営業利益が同8.6%増の345億円、年間配当が同横ばいの28円。同社は既に実用化している鰤の養殖ノウハウを活かし、鰻の完全養殖の商業化に向けた開発を主導。鰻取引の国際的規制機運もあり、供給量の7割を輸入する日本で価格高騰が懸念される。高市政権の成長戦略では「フードテック」が17分野の重点投資対象の一つ。

ダイハツインフィニア―ス<6023>

・1966年にダイハツ工業から分離独立してダイハツディーゼルを設立。2025年5月に社名を変更。船舶ディーゼル発電用補機の世界大手。コージェネ(熱併給発電)も扱う。今治造船が筆頭株主。

・10/30発表の2026/3期1H(4-9月)は、売上高が前年同期比3.2%減の415億円、営業利益が同22.6%減の24億円。船舶機関関連(売上比率88%)は2%減収、セグメント利益が同2%増の46億円。陸用機関関連(同6%)は4%減収、セグメント利益が1億円の黒字から▲3億円へ赤字転落。

・通期会社計画は、売上高が前期比4.3%減の850億円、営業利益が同17.5%減の63億円、年間配当が同横ばいの62円。同社は海上自衛隊の最新鋭の護衛艦「もがみ型護衛艦」に艦内用電源として電力を供給する「MTU機関」を納入。「もがみ型護衛艦」は、その能力向上型が既にオーストラリア海軍の新型艦のベースとして選定されたほか、ニュージーランド海軍も導入に関心を寄せている。

エリアリンク<8914>

・1995年に千葉県船橋市で設立。トランクルーム(レンタル収納スペース)関連事業を「ハローストレージ」ブランドで全国展開。ストレージ、土地権利整備、その他運用サービスの三事業を展開する。

・10/29発表の2025/12期9M(1-9月)は、売上高が前年同期比7.5%増の207億円、営業利益が同15.7%増の43億円。ストレージ事業(売上比率82%)は16%増収、営業利益が17%増の46億円。土地権利整備事業(同12%)は事業縮小方針により28%減収。その他運用サービス事業は3%増収。

・通期会社計画は、売上高が前期比5.3%増の260億円、営業利益が同9.0%増の53.5億円、11/1の株式分割を考慮しない年間配当は同3.5円増配の48円。蓄積してきた自社出店・顧客情報を基にしたデータ分析による出店精度向上および出店現場小型化が高稼働率に寄与。さらに商品の認知度向上により成約数が拡大。2025年1-9月の新規出店数(1万3113室)は対年間計画の進捗率が87%。

※執筆日 2025年11月7日

フィリップ証券
フィリップ証券 リサーチ部 笹木和弘
(公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト)

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