Genky DrugStores:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】
| ●Genky DrugStores <9267> [東証P] レーティング:NEUTRAL(2025/8/6)→ NEUTRAL ◆低価格・低コストを追求したドラッグストア「GENKY」(ゲンキー) ◆第1四半期は大幅増益 ◆新規出店加速を推進 |

(注)22/6期より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、22/6期の伸び率は記載していない。2024年6月21日付で普通株式1株につき2株の株式分割を実施しており、22/6期~24/6期のEPS・1株配は22/6期期首に分割が行われたと仮定して算定。
◆低価格・低コストを追求したドラッグストア「GENKY」(ゲンキー)
ドラッグストアが主軸の上場企業の内、直近決算期の売上高は10位。福井県を地盤に、岐阜、愛知、石川、滋賀を合わせた5県で490店舗(2025年11月10日現在)を展開中だ。
前期(2025年6月期)における食品の売上構成比は70.4%と業界全体の33%(経済産業省:商業動態統計調査2024年度)を大きく上回り、同業上場企業(直近決算期)のなかで最も高い。生鮮食品など食品の品揃え・品質強化、EDLP(エブリデー・ロー・プライス。毎日一定の低価格で販売する手法)を徹底している。また販管費率は15.6%と同業上場企業で最も低く、店舗のレイアウト、オペレーションの標準化や、店舗開発、プライベートブランド(PB)商品開発、物流、生鮮食品製造加工を自社で担うなど、低コスト経営を追求している。
◆第1四半期は大幅増益
今期(2026年6月期)第1四半期の営業利益は前年同期比28%増となり、会社予想を3億円(11%)上回った(資料1、出所:決算短信)。増益要因は既存店売上高の堅調推移と経費抑制、会社予想から上振れた要因は粗利益率の維持と経費抑制だ。
(資料1)売上高・営業利益の推移

(注)22.6期~は「収益認識に関する会計基準」等を適用。
既存店売上高は前年同期比5.8%増え、食品の販売増が牽引した(資料2、出所:決算短信・決算説明資料)。生鮮食品・惣菜強化、EDLP推進を背景に来店客数が増加し、コメなどを中心にした物価高は客単価を押し上げた。第2四半期に入った10月度の既存店売上高は前年同月比1.8%増、土曜が1日少なかったことを調整した前年同曜日比では3.4%増であり、ほぼ会社予想通りの進捗が続いている。
(資料2)業績の詳細

粗利益率は第1四半期において前年同期と同水準だった。利益率が低い食品の売上高構成比が高まったのを、在庫管理の徹底で補った。日配品や生鮮食品を納品された当日に売り切り、廃棄ロスを減らした。当日に売り切ってしまえば、鮮度が高い商品が毎朝店頭に並ぶことになり、それを目当てに来店客数が増えるという好循環も生んだ。
販管費はセルフレジ導入による人件費の伸び抑制、水道光熱費の値下がりが寄与した。
◆新規出店加速を推進
新規出店が加速してきた(資料3、出所:決算短信・決算説明資料)。出店数が伸び悩んだ数年間の間に、店舗開発部員を従来の2倍となる100人前後に拡充し、その部員が土地契約に集中できるように業務範囲を見直した。今年からは出店可否を事前に簡易判断し、出店確度の高い物件候補地に絞って交渉することにした。これらの成果が足元でみられている。
(資料3)店舗数の推移

今期会社予想の新規出店数は66店舗(前期比+12店舗)。工事の遅れなどにより、一部の出店が来期(2027年6月期)へ後ろ倒しになる可能性があるものの、概ね計画通りに進捗している模様だ。来期には100店舗程の出店を目指すが、これもやや下振れそうだ。
◆投資判断はNEUTRAL継続
今村証券による今期業績予想は、売上高2230億円(前期比+11.1%)、営業利益111億円(同+14.9%)、純利益80億円(同+13.2%)とする。会社予想(売上高2218億4000万円、営業利益105億円、純利益75億円)を上回り、前回(8月)今村証券予想(売上高2230億円、営業利益106億円、純利益75億7000万円)からは営業利益、純利益の予想を引き上げた。第1四半期実績、会社が「売上高営業利益率5%を上回るようなら商品価格を値下げし、売上の増加につなげる」方針であることを踏まえた。来期については、売上高2450億円(今期今村証券予想比+9.9%)、営業利益122億円(同+9.9%)、純利益88億円(同+10.0%)を予想し、新規出店数90店舗弱、既存店売上高3%増程を前提にした。
今期、来期の業績予想に基づくバリュエーションは妥当な水準と考え、投資判断は「NEUTRAL」を継続する。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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金融商品取引業者 北陸財務局長(金商) 第3号
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※今村証券より提供されたレポートを掲載しています。
株探ニュース