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セーレン:OUTPERFORM継続【今村証券アナリストレポート】

材料
2025年11月27日 18時20分

担当 近藤 浩之

●セーレン <3569> [東証P]
レーティング:OUTPERFORM(2025/9/4)→ OUTPERFORM

◆世界シェアNo.1のカーシート表皮材など、繊維技術を基盤に多分野展開
◆過去最高の業績を達成
◆成長分野への積極投資に加えて、ユニチカ繊維事業を買収

【タイトル】

出所:セーレン、ブルームバーグ、今村証券

◆世界シェアNo.1のカーシート表皮材など、繊維技術を基盤に多分野展開

「車輌資材」(自動車・鉄道等のシート材、エアバッグ、加飾部品)が前期(2025年3月期)売上高全体の7割弱を占める。カーシート材の世界シェアトップであり、特に合成皮革シート材で高シェアを誇る。「ハイファッション」(各種衣料製品、衣料用繊維加工)、「エレクトロニクス」(導電性素材、工業用ワイピングクロス、ビスコテックス・システムおよびサプライ等)、「環境・生活資材」(建築用資材、インテリア用資材、健康・介護商品、環境・土木資材)、「メディカル」(医療用資材、化粧品、水処理用資材)なども手掛ける。

◆過去最高の業績を達成

今期(2026年3月期)第2四半期累計期間業績は好調を維持した(資料1、出所:決算短信・決算説明資料)。「車輌資材」と「エレクトロニクス」の伸び幅が大きく、両セグメントの売上高と営業利益は第2四半期累計期間として過去最高だった。「車輌資材」はメキシコで新規車種立ち上げに伴って受注が増え、中国では一部の日系自動車メーカーの販売回復が寄与した。「エレクトロニクス」は半導体関連や人工衛星、ゲーム機やモバイル端末向け商材が拡大した。

(資料1)業績の推移

【タイトル】

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第3四半期以降も「車輌資材」「エレクトロニクス」を中心に堅調な業績が見込めるとし、通期会社予想を上方修正した。売上高は4期連続、営業利益、経常利益、純利益は5期連続で過去最高を更新する見通しだ。「車輌資材」はメキシコでの受注が減速する一方、その他の地域は引き続き好調な受注を見込む。米国に輸入する商材や原材料の一部でみられるトランプ関税によるコスト増加は価格転嫁で対応できている。為替の前提レートは円安方向に修正した(1ドル=148円(8月予想比5円円安)、1人民元=20.5円(同0.7円円安))。尚、ユニチカの繊維事業買収(後述)の影響は織り込まれていない。

◆成長分野への積極投資に加えて、ユニチカ繊維事業を買収

今期からの3年間で総額300億円の成長分野投資を実施する(資料2、出所:決算説明資料)。この投資の中心は「車輌資材」だ。

(資料2)成長投資額

【タイトル】

主にシート材に用いられる合成皮革「QUOLE(クオーレ)」の増産投資を、すでに進行中のメキシコに加えて、タイ、インドでも予定する。「QUOLE」は重量が本革の約1/2と軽量化に役立ち、耐久年数は10年以上、耐摩耗性は本革の4倍である。「夏熱くならず、冬冷たくならない」素材のため車内体感温度を下げてエアコン稼働の抑制が可能となり、製造工程で水や溶剤の使用を抑えたり、リサイクル糸や植物由来の原料を使用したりといった環境負荷低減や、動物愛護にも貢献できる。

ポリエステル製エアバッグの一貫生産体制構築も進める。エアバッグの素材はナイロンが主流だったが、リサイクル性や製造工程での二酸化炭素排出量の少なさを背景にポリエステルの需要が高まっていることに対応する。

来年1月には、ユニチカの岡崎事業所(愛知県岡崎市)で営む繊維事業を買収する。不採算事業からの撤退、老朽化した設備の自動化・合理化投資を実施した上で、ユニチカが手掛ける不織布や機能性差別化原糸を用いた製品を開発していく。

◆投資判断はOUTPERFORM継続

今村証券による今期業績予想は会社予想を若干上回る、売上高1700億円(前期比+6.5%)、営業利益205億円(同+14.7%)、純利益155億円(同+11.6%)。来期(2027年3月期)予想は売上高1900億円(今期今村証券予想比+11.8%)、営業利益215億円(同+4.9%)、純利益161億円(同+3.9%)とする。ユニチカの繊維事業買収による業績影響について、会社の目標は売上高が年間200~300億円、来期営業黒字化であるが、今村証券予想では今期、来期ともに売上高を年間200億円、営業損益を数億円の赤字との前提にした。既存事業は好調が続くとみた。

投資判断は「OUTPERFORM」を継続する。

【レーティングの定義】
OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。
NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。
UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。
トータルリターン:株価変動率+配当利回り
目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。

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今村証券株式会社

金融商品取引業者 北陸財務局長(金商) 第3号

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会

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【アナリストによる証明】

本資料に示された見解は、言及されている発行会社とその発行会社等の有価証券について、各アナリストの個人的見解を正確に反映しており、さらに、アナリストは本資料に特定の推奨または見解を掲載したことに対して、いかなる報酬も受け取っておらず、今後も受け取らないことを認めます。

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今村証券より提供されたレポートを掲載しています。

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