セーレン:OUTPERFORM継続【今村証券アナリストレポート】
●セーレン<3569>[東証P]
レーティング: OUTPERFORM(2025/11/25)→ OUTPERFORM
◆世界シェアNo.1のカーシート表皮材など、繊維技術を基盤に多分野展開
◆前期の営業利益は過去最高、今期は横ばい予想
◆成長分野へ重点投資

◆世界シェアNo.1のカーシート表皮材など、繊維技術を基盤に多分野展開
「車輌資材」(自動車・鉄道等のシート材、エアバッグ、加飾部品)が前期(2026年3月期)連結売上高・営業利益(調整額控除前)の約2/3を占める。カーシート材の世界シェアトップで、特に合成皮革シート材で高シェアを誇る。「ハイファッション」(各種衣料製品、衣料用繊維加工)、「エレクトロニクス」(導電性素材、工業用ワイピングクロス、ビスコテックス・システムおよびサプライ等)、「環境・生活資材」(建築用資材、インテリア用資材、健康・介護商品、環境・土木資材)、「メディカル」(医療用資材、化粧品、水処理用資材)なども手掛ける。
◆前期の営業利益は過去最高、今期は横ばい予想
前期業績は7%の増収、16%の営業増益となり、売上高は4期連続、営業・経常・純利益は5期連続で過去最高を更新した(資料1、出所:決算短信・決算説明資料)。牽引したのは、「車輌資材」と「エレクトロニクス」だ。「車輌資材」はメキシコでの新規車種立ち上げやアジアでの受注増加、国内で前の期に自動車メーカーが生産停止した反動などが押し上げ、「エレクトロニクス」は半導体関連や人工衛星の売上拡大が奏功した。
今期(2027年3月期)会社予想は、増収率が10%と伸びが加速するのに対して、営業増益率はほぼ横ばいと見込む。増収の主因は、1月に買収したユニチカ岡崎事業所(現NBセーレン)の業績が年間を通じて加算されることだ。ただNBセーレンはまだ黒字化を目指す段階であり、利益への貢献は小さい。不採算事業からの撤退、老朽化した設備の自動化・合理化投資を実施した上で、NBセーレンが持つ不織布や機能性差別化原糸を用いた製品の開発や販売拡大、グループ内での原材料の共同調達などを推し進めていく。また利益面では中東情勢の混乱が響く。原材料や燃料価格、物流費の上昇などにより、第2四半期までで20億円強の利益圧迫要因になると想定しており、製品価格への転嫁、調達ルート見直し、コスト削減などでの吸収を図る。セグメント別では「車輌資材」が踊り場、「エレクトロニクス」が好調持続と見込み、為替の前提レートは1ドル=152円(前期比2.29円円安)、1人民元=21.5円(同0.68円円安))だ。

◆成長分野へ重点投資
前期から来期(2028年3月期)までの3年間で約300億円の成長分野投資を実行する(資料2、出所:決算説明資料)。
まず、主にシート材に用いられる合成皮革「QUOLE(クオーレ)」のメキシコでの生産能力増強が完了した。「QUOLE」は重量が本革の約1/2と軽量化に役立ち、耐久年数は10年以上、耐摩耗性は本革の4倍である。「夏熱くならず、冬冷たくならない」素材のため車内体感温度を下げてエアコン稼働の抑制が可能になり、製造工程で水や溶剤の使用を抑えたり、リサイクル糸や植物由来の原料を使用したりといった環境負荷低減や、動物愛護にも貢献できる。
人工衛星事業は、福井県や東京大学などと連携し超小型人工衛星、超小型人工衛星搭載機器の製造を手掛けている。生産能力の引き上げに加えて、衛星運用・データ提供までのワンストップサービスを提供していく。半導体事業は、シリコンウエハー上に回路の素材となる層を作る工程である成膜加工サービスを提供している。世界シェアNo.1の厚膜熱酸化膜加工企業として、光ファイバ通信のほか、AIデータセンター、電気自動車、ロボット用センサなどで需要拡大が見込め、新工場を建設中だ。

◆投資判断はOUTPERFORM継続
今村証券による業績予想は、今期が会社予想を若干上回る、売上高1950億円(前期比+13.5%)、営業利益215億円(同+3.2%)、純利益160億円(同+2.6%)―、来期が売上高2050億円(今期今村証券予想比+5.1%)、営業利益230億円(同+7.0%)、純利益170億円(同+6.3%)―とし、増配も続くだろう。会社は今月、自己株式取得(来年3月末まで、上限200万株(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合3.4%)、60億円)を発表した。
今年に入り株価は35年ぶりに上場来高値を更新した。投資判断は「OUTPERFORM」継続。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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今村証券より提供されたレポートを掲載しています。
株探ニュース