福井コンピュータホールディングス:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】
●福井コンピュータホールディングス<9790>[東証P]
レーティング: NEUTRAL(2025/12/8)→ NEUTRAL
◆建築と測量の専用CAD市場で高いシェア
◆前期は過去最高益、今期は営業減益予想
◆来年4月に筆頭株主を吸収合併へ

◆建築と測量の専用CAD市場で高いシェア
道路や河川のインフラ工事から建築物(住宅やビル)に至るまでのパッケージCAD(コンピュータを使用して設計や製図をするシステム)の開発・販売が主力(資料1、出所:決算説明資料)。「建築システム」事業のメインターゲットは建築設計事務所や工務店などの住宅事業者で、建築図面や見積書、部材の発注書といった書類の作成スピードを高めることができる。測量会社や土地家屋調査士業、土木施工業向けの「測量土木システム」事業は土地・建物の形状、面積の図面を自動作成したり、作業現場での設計変更に対応可能なソフトウェアを提供し、現場写真管理、出来形管理などの業務にも対応している。「ITソリューション」事業は選挙の出口調査システムなどを手掛ける。

◆前期は過去最高益、今期は営業減益予想
前期(2026年3月期)の売上高は前の期比13%増、営業利益は同19%増となり、経常利益、純利益を含めいずれも過去最高を更新した(資料2、出所:決算短信)。CADシステム関連(建築システム+測量土木システム)の売上高が同12%、営業利益が同15%増えた。建設業界は労働時間の上限規制適用、人手不足、資材価格の高騰などの問題を抱え、生産性向上への意識が高まっている。そのなかで、法改正や制度改正に対応した製品を提供し、新規顧客の獲得、既存顧客のライセンス(アカウント)増設につなげた。ストックビジネスも伸長し、売上高全体に占める割合は54.2%(前の期比+2.2ポイント)に拡大、顧客数増加に加えて価格改定がプラスに働いた(資料3、出所:決算説明資料・事業報告書)。ITソリューション事業は、2回の国政選挙(昨年7月参議院選挙、今年2月衆議院選挙)に際する出口調査システムの売上高が押し上げた。ただ純利益は、特別損失に投資有価証券評価損(8億4500万円)を計上したため、増益率が小幅にとどまった。
今期(2027年3月期)会社予想は売上高がほぼ横ばい、営業利益は5%の減益だが、現在進行中の中期経営計画における業績目標(売上高160億円、営業利益68億円)を上回る見込みだ。国政選挙の予定がなく、出口調査システムの需要が落ち込む。来年4月に予定する経営統合(後述)、前期に稼働した自社データセンターの機能拡充、人員増強や人事評価制度変更などに伴う経費増加も響く。一方でCADシステム関連は法改正、制度改正による追い風が続く。
今村証券では、今期業績を売上高170億円(前期比+2.1%)、営業利益71億円(同▲2.2%)、純利益47億円(同+9.0%)と予想する。CADシステム関連の上振れを背景に、売上高、営業利益、純利益ともに会社予想を数%上回るとみた。配当金の予想は「配当性向35%以上」の会社方針に則って会社予想を上回る80円とする。


◆来年4月に筆頭株主を吸収合併へ
来年4月、筆頭株主である株式会社ダイテックホールディング(以下ダイテックHD)を吸収合併する。商号はD&Fグループ株式会社に変更する予定だ。ダイテックHDは建築設備業向けCAD事業が売上高の大半を占め、福井コンピュータHDの建築向けCAD、測量土木向けCADとは主要顧客や製品に大きな重複はない。むしろ相互に補完できる関係にあり、建設プロジェクト全体のシステムの一括販売が可能になる。さらに建設データを一元管理ができ、自社データセンターを活用して展開を模索しているデータ解析・事業予測といった新しいサービスの提供もしやすくなる。
経営統合後の来期(2028年3月期)売上高は330億円超の見通しで、今期今村証券予想からほぼ2倍になる。営業利益は単純合算(福井コンピュータHD:71億円(今期今村証券予想)、ダイテックHD:96億9800万円(2025年3月期実績))では2倍強となり、今後確定するのれんの金額・償却方法などによって変動する。EPSに関しては、合併により新たに発行する株式数も含めて算出する必要があり、小幅な増加を想定したい。
投資判断は「NEUTRAL」を継続する。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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今村証券株式会社
金融商品取引業者 北陸財務局長(金商) 第3号
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今村証券より提供されたレポートを掲載しています。
株探ニュース