概要・株価
チャート
ニュース
かぶたん ロゴ
PR

マーケット&北陸経済動向(11/01)【今村証券アナリストレポート】

市況
2026年11月2日 11時39分

(1)マーケット動向

日本株は足踏み状態だ。日経平均株価は一時7万円台を回復した後、6万2000円を割り込む水準まで下げ、約3カ月前の水準に戻った。東証株価指数(TOPIX)も上値が重かった。好業績銘柄のほか、相次ぐ情報漏洩を背景にサイバーセキュリティ関連が物色された一方、人工知能(AI)・半導体関連が失速した。

【タイトル】

世界的な金利上昇によって株式には相対的な割高感が意識される状況が続いた。米長期金利は5.36%と2002年以来の水準まで上昇し、政情不安に直面するフランスも2002年以来となる5%台に乗せ、9月に30年ぶりに3%を超えた日本の長期金利は足元で2.8%程度で推移している。ホルムズ海峡を通過する船舶、サウジアラビアの空港や原油施設が攻撃を受け、国際原油指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が一時1バレル=110ドル台と5カ月ぶりの高値を付けるなど、インフレ圧力が高まった。世界的な政府債務の拡大、企業の旺盛な設備投資に伴う資金需要も金利上昇に拍車をかけた。

米国AI企業の資金繰り不安も続いた。データセンターをAI開発企業やクラウド大手に貸し出す「ネオクラウド」の先駆けであるコアウィーブ<CRWV>は巨額の借入金に依存しながら事業を拡大してきたが、その資金循環に対する将来的不安が台頭、社債価格と株価が急落した。メタ・プラットフォームズ<META>、アルファベット<GOOG>は7~9月期にフリーキャッシュフロー(純現金収支)が赤字となり、巨額投資に対する懸念が強まった。米調査会社ガートナーが「2030年までに3兆5000億ドル(約550兆円)超のAIインフラ投資が減損リスクにさらされる」「ネオクラウド事業者の8割超は単独での事業運営を2030年までに終了する」との見方を示したことや、米半導体大手ブロードコム<AVGO>の最高経営責任者(CEO)によるAI企業の収益の持続性に懐疑的な発言も重荷になった。中国メモリー大手CXMT、中国AIのディープシークが新技術や新製品を公表し、競争激化を警戒した売りもみられた。

11月の最大の注目イベントは、3日に投開票される米中間選挙だ。野党・民主党が上下院ともに多数派を握るとの予測が優勢になっている。予測通りの結果となれば、トランプ大統領が掲げる追加減税や歳出拡大などは停滞を招きかねない。第1次トランプ政権下の中間選挙で上院と下院の多数派が異なる「ねじれ」が生じた際のように「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」の主張を強め、「大統領権限」を駆使して外交・通商面で強硬な姿勢を取る可能性もありそうで、注意が必要だ。加えて、米国とイスラエルが中間選挙後にイランへの攻撃を再開する計画を策定したとも報じられている。日米欧にて年内の追加利上げ観測が高まっている点も金融市場にとって重要な焦点となる。「中間選挙後は株高」とのアノマリー(経験則)があるものの、不安定な相場環境は変わりそうになく、個別材料を手掛かりとした選別物色が強まるとみられる。

【タイトル】

【タイトル】

足元では4~9月期決算発表が本格化している。東証プライム市場に上場する3月期決算企業の2027年3月期純利益は8月時点では前期比14%増の見通しだったが、半導体需要の急増による半導体関連企業の業績が好調なうえ、原材料高などのコスト増加分の価格転嫁が進み、2割超の増益を予想する声も聞かれる。輸出企業の想定為替レート(1ドル=145~155円が中心)に比べて円安基調で推移していることも追い風になる。好業績銘柄への買いが続くだろう。

【タイトル】

【タイトル】

(2)北陸経済動向

個人消費や設備投資が堅調で、住宅投資が下げ止まり、生産が持ち直す中、北陸経済は緩やかに持ち直している。

個人消費の動向を表す8月の商業動態統計小売6業態販売額(全店ベース)は前年同月比0.7%増と2カ月連続で前年を上回った。スーパーやコンビニエンスストアの販売は伸び悩んだものの、ドラッグストアやホームセンターの販売額が伸び、百貨店や家電大型専門店の販売額も堅調だった。中部経済産業局では個人消費の判断を29カ月連続で「緩やかに改善している」とした。

注)小売6業態:百貨店、スーパー、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストア

【タイトル】

生産は持ち直している。中部経済産業局が発表した8月の鉱工業生産指数(速報値、季節調整済)は前月比で4.4%増と2カ月ぶりに上昇し、前年同月比では11.6%増と9カ月連続で前年を上回った。特に生産用機械工業で半導体製造装置など海外向けを中心に回復しているのが目立つ。

【タイトル】

こうした中、北陸企業の景況感は改善している。日銀金沢支店が発表した北陸3県の9月の企業短期経済観測調査(短観)では、全産業の業況判断指数(DI)がプラス20と前回調査(6月)から6ポイント改善、2期連続で改善し、35年ぶりの高水準となった。改善に寄与したのは半導体製造装置など人工知能(AI)関連の需要拡大や価格転嫁の進展だ。電気機械は27ポイント上昇のプラス60と3期連続で改善し、はん用・生産用・業務用機械は13ポイント上昇のプラス38となった。後発医薬品の需要が伸びた化学もプラス38と38ポイント改善し、製造業のDIがプラス17と前回から12ポイント改善した。非製造業もプラス23と3ポイント改善した。

【タイトル】

製造業の先行きはさらに改善見通しで、先行き判断DIは1ポイント改善のプラス18だ。統計上マイナスになることが多い先行き判断DIにおいて更なる改善が見込まれるのは企業の自信の表れといえよう。

北陸経済は総じて堅調だが、中東情勢など国際情勢、為替、エネルギー・原材料価格などによる影響には注意が必要だ。

(参照:日銀金沢支店発表資料「北陸の金融経済月報」、「北陸短観」、国土交通省発表資料、経済産業省及び経済産業省中部経済産業局発表資料、財務省北陸財務局発表資料、内閣府発表資料より今村証券作成)

--------------------------------------------------------------------------------------
今村証券株式会社
  金融商品取引業者 北陸財務局長(金商) 第3号
  加入協会:日本証券業協会、一般社団法人資産運用業協会
--------------------------------------------------------------------------------------
【アナリストによる証明】
本資料に示された見解は、言及されている発行会社とその発行会社等の有価証券について、各アナリストの個人的見解を正確に反映しており、さらに、アナリストは本資料に特定の推奨または見解を掲載したことに対して、いかなる報酬も受け取っておらず、今後も受け取らないことを認めます。
--------------------------------------------------------------------------------------
【免責・注意事項】
本資料は投資判断の参考となる情報提供を目的とし、信頼できると思われる各種データに基づき作成したものですが、正確性・完全性を保証するものではありません。本資料に記載された意見・予測等は、作成時点における今村証券の判断に基づくもので、今後、予告なしに変更されることがあります。本資料は投資結果を保証するものではございませんので、本資料の内容について第三者のいかなる損害賠償の責任を負うものでもありませんし、本資料に依拠した結果として被った損害または損失について今村証券は一切責任を負いません。投資に関する最終決定はご自身の判断で行ってください。今村証券は本資料に関するご質問やご意見に対して、何ら対応する責任を負うものではありません。

今村証券及びその関連会社、役職員が、本資料に記載されている証券もしくは金融商品について、自己売買または委託売買取引を行うことがあります。

本資料は今村証券の著作物であり、著作権法により保護されております。今村証券の事前の承認なく、また電子的・機械的な方法を問わず、本資料の全部もしくは一部引用または複製、転送等により使用することを禁じます。
――――――――――――――――――――――――――――――――-

今村証券より提供されたレポートを掲載しています。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集