米国株式市場見通し:10-12月期決算本格化
15日(月)はキング牧師誕生日の祝日のため米国株式相場は休場となる。連休明けは本格化する10-12月期決算発表に注目が集まるだろう。金融ではシティグループ(16日)、バンクオブアメリカ(17日)、ゴールドマンサックス(17日)、モルガン・スタンレー(18日)などの決算が予定されている。先週のウェルズファーゴの決算では繰延税金債務の取り崩しで、税制改革が純利益にプラスとなるケースもあったが、JPモルガンは税制改革関連で24億ドルの損失を計上するなど、大手行の多くは金融危機時の巨額損失に基づく繰延税金資産の評価見直しで、一時的な損失計上が予想される。しかしながら、あくまで税制変更による一時的な事象であり、減税自体は今後、金融各社の業績に大きく寄与することが見込まれる。
この他、医療保険のユナイテッドヘルス(16日)、金属大手のアルコア(17日)、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス(18日)、ITサービスのIBM(18日)、石油サービスのシュルンベルジェ(19日)などの決算発表が予定されている。先週決算発表を行なったデルタ航空は、税制改革の恩恵を理由に先月発表したばかりの2018年の利益見通しを従来の一株利益5.30-5.70ドルから、6.35-6.70ドルへと約20%も引き上げた。また著名投資家ウォーレン・バフェット氏もメディアのインタビューで、「現在の金利水準を勘案すれば株価は概ね適正な範囲内であり、法人税減税による恩恵が織り込まれてない」と発言しており、税制改革の企業業績への影響は一部のアナリストや投資家が予想している以上に大きい可能性がある。各社の決算発表は、減税による業績の押し上げ効果を確認する良い機会となりそうだ。
経済指標では1月NY連銀製造業景気指数(16日)、1月NAHB住宅市場指数(17日)、12月鉱工業生産(17日)、12月住宅着工・建設許可件数(18日)などが予定されている。また、FOMC(連邦公開市場員会)での基礎資料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)も17日に発表される予定だ。12月のNAHB住宅市場指数は税制改革期待から18年ぶりの高水準となり、1月も好調が予想される。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ