欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、欧州通貨は上昇一服もドル買いは慎重

通貨
2018年1月16日 17時25分

今日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。ユーロをはじめ欧州通貨は調整の売りが見込まれ、足元の急激な上昇は一服する見通し。ただ、材料難からドルに新規の買いは入りにくいだろう。

欧州中央銀行(ECB)が量的緩和政策を段階的に縮小するとの見方やドイツの大連立政権樹立に向けた協議の進展を背景に、前週末からユーロ買いが強まっている。ユーロ・ドルは前日の取引で約3年ぶりの高値となる1.2297ドルまで強含み、地合いの強さを示した。本日のアジア市場でも1.22ドル台半ばから後半で推移しており、今晩の取引で節目の1.23ドルを上抜けられれば、なお上値余地が生まれそうだ。

ただ、ECB理事会の議事要旨(昨年12月14日開催分)の公表前日の10日から15日にかけてユーロ・ドルは終値ベースで2.7%程度上昇しており、市場では過熱感が指摘されている。前日は1.23ドル手前の売り圧力に上昇を阻止されたことから、同水準では調整の売り圧力が見込まれる。同様に、ポンド・ドルも足元で2%超強含んでおり、18時半発表の英国のインフレ指標次第では調整売りに転じる可能性があろう。

今晩の海外市場で欧州通貨の上昇が一服した場合、ドル・円は下押し圧力が弱まり、111円台を回復する可能性がある。22時半発表の米国の1月NY連銀製造業景気指数も前月から改善が予想され、ドル買いのきっかけになりやすい。ただ、足元でドル買い材料は出尽くし感があり、新規の買いは入りづらいとみられ、ドル・円は111円前半で上昇を抑えられそうである。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・18:30 英・12月消費者物価指数(前年比予想:+3.0%、11月:+3.1%)

・18:30 英・12月生産者物価指数・産出(前年比予想:+2.9%、11月:+3.0%)

・22:30 米・1月NY連銀製造業景気指数(予想:19.0、12月:18.0)

《CS》

提供:フィスコ

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