欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、引き続きユーロ・ドルにらみ

通貨
2018年1月18日 17時25分

今日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。欧州中央銀行(ECB)による政策転換やドイツ政局への思惑が広がりやすいなか、米長期金利の上昇を手がかりにドル買い基調は継続する見通し。ただ、ユーロ・ドルの値動きによってはドル売りが強まる可能性もある。

ECBが前週公表された昨年12月の理事会議事要旨で、2018年からガイダンスの段階的な変更を検討する可能性が浮上し、現行の緩和的な政策を縮小するとの思惑が広がっている。

ユーロ・ドルは17日、一時1.23ドル台に上昇した。しかしながら、ECBのコンスタンシオ副総裁や同理事会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁など、当局者によるユーロ高けん制発言が相次いだ。ユーロはそれにより1.21ドル台半ばまで失速したが、ECBへの緩和縮小への期待は根強く、本日はユーロが持ち直す可能性を想定したい。

一方、ドイツのメルケル首相は、自身が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と第2党の社会民主党(SPD)との大連立による政権を早期に発足させたい意向だが、SPDは21日の党大会に向け連立参加を反対する意見が広がっている。報道によると、SPDのシュルツ党首は17日、党内の承認に向けた取り組みに進展があったと自信を示したものの、なお不透明感は払しょくされておらず、政局リスクを意識したユーロ売りも見込まれる。本日アジア市場でユーロ・ドルは1.2170ドル台で底堅い値動きとなった。

こうした動きを受け、ドル・円は方向感の乏しい展開となっている。米10年債利回りの昨年3月以来の高水準や昨晩の米国株の反発、あるいは日本株高を手がかりにドルは111円台を回復したが、買い材料は見当たらずドルの地合いは強くない。今晩発表される米1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が低調な内容となり、製造業の回復の遅れが示された場合、ドル売りに振れやすい見通し。25日開催のECB理事会まではユーロ・ドルの値動きがドル・円の相場動向などを左右する状態が続くとみられる。ユーロ買い・米ドル売りが優勢となった場合、ドル・円の取引では下押し圧力がかかりやすいだろう。

【今日の欧米市場の予定】

・20:00 トルコ中銀が政策金利発表(8.00%などに据え置き予想)

・22:30 米・12月住宅着工件数(予想:127.5万戸、11月:129.7万戸)

・22:30 米・12月住宅建設許可件数(予想:129.5万戸、11月:130.3万戸)

・22:30 米・1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:24.8、12月:27.9)

・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:24.9万件、前回:26.1万件)

・南ア中央銀行が政策金利発表(6.75%に据え置き予想)

《CS》

提供:フィスコ

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