米国株式市場見通し:債務上限と決算に注目

市況
2018年1月20日 14時48分

週初は債務上限問題の進展状況が焦点となる。トランプ大統領が移民を侮辱する発言を行なったとして批判が高まる中、幼少期に米国に不法入国した移民救済制度(DACA)の撤廃が3月上旬に迫っている。民主党は移民法案を予算法案と抱き合わせることを要求するなど、債務上限を巡る交渉は難航している。トランプ大統領も政府機関閉鎖を辞さないことを示唆する発言を繰り返しており、交渉の行方を慎重に見極める必要があるだろう。但し、政府機関が閉鎖される事態になったとしても、短期となる可能性が高く株式相場への直接的な影響は限定的だろう。

引き続き多数の10-12月期決算発表が予定されている。ダウ構成銘柄では、製薬のジョンソン&ジョンソン(23日)、生活用品のプロクター&ギャンブル(23日)、保険のトラベラーズ(23日)、通信のベライゾン(23日)、複合企業のゼネラル・エレクトリック(24日)やユナイテッド・テクノロジー(24日)、化学製品のスリーエム(24日)、半導体のインテル(24日)、建設機械のキャタピラー(24日)と構成銘柄30社中9社の発表が予定されている。ゼネラル・エレクトリックは長期介護保険関連で損失を計上する見通しで、分社化を進めるかどうか具体的な言及があるか注目される。半導体のインテルは同社製CPUに設計上の欠陥があった問題で、欠陥修正のプログラムを配布したものの、再起動が頻発するなど新たな不具合も報告されている模様。同問題への対応状況と共に、自動運転やAIなどの成長分野の見通しに注目が集まるだろう。

そのほか、動画ストリーミングのネットフリックス(22日)、自動車のフォード(24日)やフィアット・クライスラー(25日)、航空会社のアメリカン航空(25日)やサウスウェスト航空(25日)、製薬のバイオジェン(25日)、セルジーン(25日)なども決算発表を予定している。ネットフリックスの株価は過去最高値で推移しているが、同社の決算発表では契約者数の伸びが最も重視される。アナリストは約630万人の増加を予想しているが、この水準を上ぶれるかどうかが焦点となりそうだ。

経済指標では11月FHFA住宅価格指数(24日)、12月中古住宅販売件数(24日)、12月新築住宅販売件数(25日)、12月景気先行指数(25日)、10-12月期GDP(26日)、12月耐久財受注(26日)などが予定されている。住宅市場はやや停滞傾向にあるが、税制改革では不動産開発・賃貸業が優遇される内容が盛り込まれたこともあり、一戸建てよりも賃貸向けアパート(マンション)の需要が高まることが予想される。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.