欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、ECB理事会控えユーロ買いは慎重に

通貨
2018年1月24日 17時25分

今日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。ユーロ・ドルが足元の高値圏に上昇するなか、25日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会を前にユーロ買いは一服する見通し。ドルへの下押し圧力は弱まり、下値の堅さが意識されそうだ。

市場では、明日のECB理事会への関心が高まっている。今月11日に公表された昨年12月14日開催の理事会議事要旨から、2018年の早い時期での先行き方針(フォワードガイダンス)変更に関する議論が明らかになった。それ以降、金融正常化への思惑先行でユーロ買いに振れ、17日には節目の1.23ドルを回復。2014年12月以来の高値圏に強含んだ。本日のアジア市場では一時1.2330ドル台まで上昇している。

ただ、ECB内では緩和縮小に慎重な意見があり、フォワードガイダンスの変更に関しては3月以降との見方も少なくない。また、ユーロ・ドルが1.23ドル台を回復したタイミングではユーロ高けん制発言が複数みられ、過熱気味の相場への警戒感が示された。タカ派寄りのスタンスを見込んだ市場のシナリオに反し、従来通りの金融緩和政策を維持する可能性もあり、一段のユーロ買いは手控えられ、ドル売り圧力の後退も見込まれる。

こうしたなか、今晩は経済指標を手がかりとした相場となりそうだ。18時に発表となるユーロ圏の1月製造業やサービス業PMI速報値はいずれも前回をやや下回ると予想され、予想以上に弱い内容となれば、ユーロの利益確定売りのきっかけになる可能性がある。一方、米国の経済指標では1月製造業PMI速報値や12月中古住宅販売件数がいずれも弱含む見通しだが、ユーロ売り基調が勝り、ドル売りは広がりにくいとみられる。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】・17:00 南ア・12月消費者物価指数(前年比予想:+4.7%、11月:+4.6%)・17:30 独・1月製造業PMI速報値(予想:63.0、12月:63.3)・17:30 独・1月サービス業PMI速報値(予想:55.5、12月:55.8)・18:00 独・1月総合PMI速報値(予想:58.5、12月:58.9)・18:00 ユーロ圏・1月製造業PMI速報値(予想:60.3、12月:60.6)・18:00 ユーロ圏・1月サービス業PMI速報値(予想:56.4、12月:56.6)・18:00 ユーロ圏・1月総合PMI速報値(予想:57.9、12月:58.1)・18:30 英・9-11月ILO失業率(予想:4.3%、8-10月:4.3%)・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:4.1%)・23:00 米・11月FHFA住宅価格指数(前月比予想:+0.5%、10月:+0.5%)・23:45 米・1月製造業PMI速報値(予想:55.0、12月:55.1)・23:45 米・1月サービス業PMI速報値(予想:54.3、12月:53.7)・23:45 米・1月総合PMI速報値(12月:54.1)・24:00 米・12月中古住宅販売件数(予想:570万戸、11月:581万戸)・03:00 米財務省5年債入札(340億ドル)

《CS》

提供:フィスコ

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