新興市場見通し:堅調推移継続を想定、主力大型株には様子見ムード続き中小型株へ資金シフトの動き

市況
2018年1月27日 18時06分

先週の新興市場は、週初からリスクオンの流れに乗って買いが先行し、その後、為替の円高進行で日経平均が伸び悩む中も、為替の影響が小さい内需株として資金シフトの動きが強まる形となった。バイオ株や直近IPO銘柄、テーマ株などに積極的な値幅取り資金が流入し、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに底堅い推移となっている。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.7%であったのに対して、マザーズ指数は+4.8%、日経ジャスダック平均は+3.1%だった。

個別では、そーせいグループ<4565>が週間で12.3%高と急伸、欧州系証券が新規に買い推奨としたことが話題となった。サンバイオ<4592>も同2ケタの上昇となっている。ほか、ミクシィ<2121>は同1.2%安となったが、サイバーダイン<7779>が同4.6%高、PKSHA<3993>が同5.3%高などマザーズ時価総額上位は総じて堅調だった。株式分割実施を発表したハイアス<6192>やコラボス<3908>、新商品提供に向けた登録完了を発表したロードスター<3482>なども上げが目立った。じげん<3679>、ティーケーピー<3479>なども前週に続き続伸、直近IPOの一家ダイニング<9266>も買われた。半面、業績修正で最終赤字拡大のアンジェス<4563>は週初の急伸から伸び悩んだ。ジャスダック主力では、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が安川電機<6506>の決算発表を受けて同0.7%安となった一方、マクドナルド<2702>、ユニバーサルエンタ<6425>などはしっかり。「Nintendo Labo」への関心続き、大村紙業<3953>が前週も週間のジャスダック上昇率トップだった。餃子計画と業務提携のワイエスフード<3358>、三井金<5706>に微細回路形成用材料に使用される薄膜提供のジオマテック<6907>、1:3の株式分割を発表したデュアルタップ<3469>なども急伸。両毛システム<9691>、エヌエフ回路設計ブロック<6864>は好業績が評価される展開に。一方、SEMITEC<6626>、特殊電極<3437>などには売りが優勢となった。

今週の新興市場も、個人投資家の資金流入を背景に堅調な展開が見込まれる。主力企業には、不透明な為替相場の動向、本格化する10-12月期決算を見極めたいとの流れが強まるなか、相対的に新興市場銘柄には買い安心感が強まりやすいといえよう。米国のインフラ投資計画などが好感され、全般的にリスクオンムードになったとしても、一気に資金が中小型株から主力大型株に移行する状況でもないとみられる。

今週は、1月29日に沖縄セルラー<9436>、30日にドリコム<3793>、医学生物<4557>、31日にUNITED<2497>、セリア<2782>、コラボス<3908>、テクノHR<6629>、フクダ電子<6960>、2月1日にセプテーニ<4293>、2日にアンジェス<4563>などが決算発表を予定している。また、国内外で決算発表が本格化、新興市場のハイテク株などにも連想感が強まりやすくなり、各社のAI、EV、有機ELといった注目テーマへの展開にも関心が高まりやすくなろう。

IPO関連では、ジェイテックコーポレーション<3446>(2月28日、マザーズ)及びSERIO HD<6567>(3月2日、マザーズ)の新規上場が発表されている。一方で今年最初のIPOとなる予定だった世紀は上場延期を発表しており、現在の上場予定企業は計3社となっている。

《TM》

提供:フィスコ

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