後場に注目すべき3つのポイント~円高警戒も米金融株や半導体株の上昇が安心感に

市況
2018年2月15日 12時31分

15日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は大幅反発、円高警戒も米金融株や半導体株の上昇が安心感に

・ドル・円は弱含み、財務相発言で円買い

・値上がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位はファーストリテ<9983>

■日経平均は大幅反発、円高警戒も米金融株や半導体株の上昇が安心感に

日経平均は大幅に反発。280.46円高の21434.63円(出来高概算7億5000万株)で前場の取引を終えた。米国では長期金利の上昇でJPモルガンやゴールドマンサックスなどの金融関連企業が軒並み買われたほか、半導体関連が堅調な相場展開になっており、自律反発とは言え、センチメントを明るくさせた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比315円高の21495円となる中、21300円を回復して始まった日経平均は、その後21500円を回復する局面をみせている。

ただし、これまで同様、5日線が上値抵抗として意識されており、その後は同線を挟んだこう着となっている。また、円相場が1ドル106円30銭台と円高に振れて推移していることが手掛けづらくさせている。東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1600を超えており、全体の8割近くを占めている。セクターではサービス、保険、銀行、精密機器、非鉄金属が堅調。半面、電力ガス、陸運が小安い。

日経平均は5日線を挟んでの攻防となっており、戻りの鈍さが意識されてくるようだと、戻り待ちの売りが次第に強まる可能性はある。日銀のETF買い入れへの思惑が高まらないほか、為替市場の円高が手掛けづらくさせよう。一方で、米国では長期金利の上昇に対して、これを嫌気するといった動きよりも、金融株への買いにつながっている。また、半導体株も買われており、これがセンチメントを明るくさせているだろう。日経平均は200日線割れで調整は十分でもあるため、自律反発狙いの押し目買いが下支えとなろう。

もっとも、トレンドが転換するには見極めが必要であり、自律反発の域は脱せそうにない。VIX連動デリバティブ取引による影響も引き続き見極める必要があるだろう。個別では大きく上昇するものの、シグナルが好転まではいっていないため、強弱感が対立しやすい。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)

■ドル・円は弱含み、財務相発言で円買い

15日午前の東京市場は弱含み。麻生太郎財務相の発言をきっかけに円買いが強まり、ドルは106円前半に値を下げた。

麻生財務相は本日午前、国会で「今の状況は特別に介入が必要なほどの急激な円高ではない」と発言。その直後から円買いが強まり、ドルは一時106円32銭まで弱含んだ。

ドルはその後やや値を戻しているが、ランチタイムの日経平均先物は失速し、目先の日経平均株価は上げ幅を縮小する見通し。リスク回避的な円買いを誘発する可能性もあろう。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円32銭から107円02銭、ユーロ・円は132円52銭から133円30銭、ユーロ・ドルは1.2448ドルから1.2474ドルで推移した。

(為替・債券アナリスト 吉池威)

■後場のチェック銘柄

・ナノキャリア<4571>やメドピア<6095>がストップ高

※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位はファーストリテ<9983>

■経済指標・要人発言

・麻生財務相

「今の状況は特別に介入が必要なほどの急激な円高ではない」

・黒田日銀総裁

「2%物価目標達成のため最も適切な政策を実施していく」

「デフレ脱却宣言が行われれば日本経済にとって大きな前進」

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>

特になし

<海外>

特になし

《DM》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.