富田隆弥の【CHART CLUB】 「デッドクロスする25日・75日線」
◆NYダウ平均は1月26日高値2万6616ドルから2月9日の安値2万3360ドルまで12.2%下げたが、さすがにその後は反発。14日現在、4日続伸で2万5000ドルに迫り、半値戻しを達成した。こうなれば「NY次第」という日本株も上昇に転じよう。
◆日経平均株価は2万0950円(2月14日)まで高値から13%下げ、騰落レシオが14日に71%、RCI25日線が15日に-87%、サイコロジカルラインは3勝9敗・25%を14日まで6日間続けるなど、日足のテクニカルも底値圏に到達している。
◆日々1000ドル幅で動いたNYダウには驚きだが、コンピューターとAIを駆使するいまの世界マーケットは一方方向に振れやすく、急落のあと戻りも勢いを増す可能性がある。とはいえ、今回の下落は大きく、チャートに亀裂を入れたことも否めない。まずは割り込んだ25日移動平均線を奪回できるかがポイントになるだろう。NYダウであれば2万5500ドル、日経平均は2万3000円近辺だ。
◆日経平均は75日移動平均線が2万2770円処にあり、上から降りてくる25日移動平均線と20日前後にデッドクロスする。そのクロスするところを目指すように戻す展開はチャート上の「プルバック」、崩れたあとのアヤ戻りとして節目になりやすく、その意味でも25日移動平均線は戻りのポイントとして一層重みを増す。
◆上下に振れやすいいまの地合い。25日移動平均線を明確に突破するなら先の高値をトライする可能性が出てくる。だが、25日移動平均線を抜けずに頭を叩くようだと、再び調整圧力が増すこともあり得る。
◆今回の調整で売り方も増えたが、14日の米国CPI(消費者物価)発表で一旦買い戻しに動き、それが直近の上昇に寄与している可能性がある。また、個別株が総崩れとなり上値に多くのシコリ玉を残してしまった。25日移動平均線近辺で買い戻しが一巡すると、シコリ玉がヤレヤレの売りとなって上値を重くしかねない。そして、NYは9年間のバブルを終えた可能性あるが、相場急落で大きな損失を被ったところもあると聞く。
◆したがって、上昇したからといってすぐ強気にはなれない。チャートの基本感としては「買い」でなく、「戻り売り」を検討するところでもある。
(2月15日 記、毎週土曜日に更新)
株探ニュース