NYの視点:米1月FOMC議事録、決定的なタカ派姿勢、年5回の利上げ見通しも

経済
2018年2月22日 9時16分

米連邦準備制度理事会(FRB)はイエレン議長が率いる連邦公開市場委員会(FOMC)としては最後となった1月30-31日に開催された会合で、決定的なタカ派姿勢を明らかにした。パウエルFRB議長のもと、年内の利上げが3回または4回になるかどうかが今後の協議の焦点になると見られている。

議事録を受け、IHSマーケットのエコノミストは、FOMCの年内の利上げの回数見通しを4回に引き上げ。低すぎるインフレと、インフレ過熱、金融過剰のリスクバランスを見ながら、2018年の利上げを決定していくだろうと指摘した。同氏は、次の利上げは3月を予想している。

議事録の中で、利上げペースの加速を示唆されるポイントは以下となる。

1)多くのメンバーが12月FOMC以降、国内総生産(GDP)の成長見通しを引き上げたと指摘されている。理由は減税による刺激や金融状況の緩み。

2)メンバーは短期的な成長見通しの強まりが、政策金利であるFF金利誘導目標の緩やかな上昇の確率を高めるという見解で合意。

4回の利上げ予想は依然、顰蹙を買いそうだが、株式市場が混乱する可能性は少ないと見る。すでにタカ派であったゴールドマンサックスのシニア米国担当エコノミストは、4回の利上げ見通しを再確認。下方のリスクはないと加えた。むしろ、上方リスクで、年末までに、議長の記者会見がない会合でも1回追加利上げを実施し、全5回の利上げに踏み切る可能性もある見ている。インフレが利上げペース加速のカタリストとなる可能性は少ないが、労働市場の過熱感が、利上げペース引き上げにつながる可能性を指摘。

議事録では多くのメンバーが12月FOMC以降、国内総生産(GDP)の成長見通しを引き上げとしているが、12月のスタッフ予測、ドットチャートで、2018年のFOMCの利上げ見通しは3回だった。このことからもFOMCは3回以上の利上げの可能性があると見ていることになる。財政刺激策の効果が出て、インフレや賃金が上昇の兆候を見せている。

ただ、この会合は、株式相場の混乱の前におこなわれている。あらたなFOMCのスタンスを、28日に予定されているパウエルFRB議長の議会証言で探っていくことになる。

《CS》

提供:フィスコ

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