9日の米国市場ダイジェスト:NYダウは440ドル高、雇用統計を好感
■NY株式:NYダウは440ドル高、雇用統計を好感
9日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は440.53ドル高の25335.74、ナスダックは132.86ポイント高の7560.81で取引を終了した。2月雇用統計で非農業部門雇用者数が大幅増加となる一方で、平均時給の伸びは予想を下回り、利上げペースの加速には繋がらないとの見方から買いが先行。原油相場や長期金利の上昇が好感されたほか、トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長が5月までに首脳会談を実施する意向を示し、地政学リスクが後退したことも追い風となり、終日堅調推移となった。セクター別では電気通信サービスを除いて全面安となり、特に各種金融や運輸の下落が目立った。
エネルギー会社のチェサピーク・エナジー(CHK)は、天然ガス開発のテルリアンとの天然ガス田売却交渉が報じられ上昇。投資銀行のゴールドマンサックス(GS)は、ブランクファインCEOの退任計画が報じられたが堅調推移。ハイテク株への資金流入が目立ち、携帯端末のアップル(AAPL)や検索大手のアルファベット(GOOGL)、SNSのフェイスブック(FB)などが買われた。一方で、光通信機器メーカーのフィニサー(FNSR)は、決算内容が嫌気され下落した。
ミネアポリス連銀総裁は雇用には改善の余地があるとの認識を示したほか、ボストン連銀総裁は、今年は3回を上回る利上げが望ましいとの考えを示した。
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■NY為替:利上げペース加速の思惑にドル買いが強まる
9日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円05銭まで上昇後、106円68銭へ反落し106円79銭で引けた。米雇用統計で雇用の伸びが予想を上回り2016年7月来で最大となったことを受け利上げペース加速の思惑にドル買いが強まった。しかし、賃金の伸びが予想を下回り長期債の上昇も限定的となると、ドル買いも一段落した。ユーロ・ドルは、1.2273ドルへ下落後、1.2334ドルまで反発し、1.2305ドルで引けた。良好な米国の雇用統計を受けたドル買いが優勢となった。ユーロ・円は、131円22銭から131円89銭まで上昇。米朝の首脳会談の可能性が強まり地政学的リスクが弱まったためリスク選好の円売りが優勢となった。ポンド・ドルは、1.3812ドルから1.3889ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9527フランへ上昇後、0.9488フランへ反落した。
■NY原油:大幅反発、2月非農業部門雇用者数の大幅増を好感
NY原油先物4月限は大幅反発(NYMEX原油4月限終値:62.04 ↑1.92)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前日比+1.92ドルの62.04ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時62.14ドルまで上昇した。9日発表された2月雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比+31.3万人で市場予想(同比+20.5万人程度)を大幅に上回ったことが要因。非農業部門雇用者数の大幅な増加は原油需要の増加を示唆しているとの見方が広がった。雇用統計発表後に為替相場はややドル高に振れたが、米長期金利は上げ渋ったことも原油先物相場の上昇を促す一因となったようだ。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 32.72ドル +0.52ドル(+1.61)
モルガン・スタンレー(MS) 58.67ドル +1.71ドル(+3.00%)
ゴールドマン・サックス(GS)270.77ドル +4.43ドル(+1.66%)
インテル(INTC) 52.19ドル +1.45ドル(+2.86%)
アップル(AAPL) 179.98ドル +3.04ドル(+1.72%)
アルファベット(GOOG) 1160.04ドル +34.04ドル(+3.02%)
フェイスブック(FB) 185.23ドル +2.89ドル(+1.58%)
キャタピラー(CAT) 158.25ドル +4.66ドル(+3.03%)
アルコア(AA) 47.86ドル +0.39ドル(+0.82%)
ウォルマート(WMT) 88.72ドル +0.80ドル(+0.91%)
スプリント(S) 5.30ドル -0.01ドル(-0.19%)
《HT》
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