KLab Research Memo(6):2018年12月期も引き続き大幅な業績の伸びを見込む

特集
2018年3月13日 18時36分

■業績見通し

1. 2018年12月期の業績予想

2018年12月期の通期業績予想(レンジ形式)※についてKLab<3656>は、売上高を33,500百万円(前期比25.1%増)~38,500百万円(同43.8%増)、営業利益を3,750百万円(前期比23.3%減)~6,250百万円(同27.8%増)、経常利益を3,650百万円(前期比24.8%減)~6,150百万円(同26.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益を2,350百万円(前期比24.8%減)~4,200百万円(同34.3%増)と見込んでおり、レンジ上限の場合は、2期連続で大幅な増収増益となる見通しである。

※同社は、2017年12月期よりレンジ形式による「通期業績予想開示」を採用している。なお、レンジ形式による「通期業績予想開示」に変更したのは、新作タイトルのヒット度合いにより業績が大きく変動することや、2016年12月期まで採用していた「翌四半期業績予想」では企業価値を長期目線で判断するには情報不足となることが理由である。

売上高は、新作タイトル(4本から6本のリリースを想定)による業績貢献を前提としている。また、レンジ設定の想定は、既存タイトルの売上ライフサイクル(自然減)及び新作タイトル(既存タイトルの海外展開を含む)のヒット度合いを反映したものである。すなわち、レンジ幅上限は、新作タイトルが好調だった場合を想定する一方、レンジ幅下限は、新作タイトルが不振だった場合、または既存タイトルの減衰が大きい場合を想定した設定となっている。

一方、費用面では、新作タイトルの積極的なプロモーション展開やイベント出展による広告宣伝費の増加、新作タイトルのリリースに伴う運営費用(労務費、外注費/業務委託費、減価償却費)の増加、人員拡大に向けた労務費及び採用関連費の増加を見込むとともに、来期(2019年12月期)以降の事業展開を見据え、積極的な投資を行っていく方針である。したがって、売上高がレンジ上限の場合には、十分に費用の増加分を吸収できる一方、レンジ下限の場合には前期比で減益となる想定となっている。

弊社では、順調に立ち上がった「キャプテン翼」や「シャニライ」が海外展開を含めて通年寄与することや、既存タイトルも大きく落ち込む懸念が少ないことから、仮に新作タイトルが不振であったとしても、レンジ下限は保守的な水準であるとみており、少なくともレンジ内での着地は十分に可能であると評価している。したがって、前期同様、新作タイトルや「キャプテン翼」及び「シャニライ」の海外展開などの結果次第では、業績が上振れ、レンジ上限値を更に超える可能性にも注意が必要である。特に、「キャプテン翼」については、サッカーの盛んな欧州及び南米を始め、中東でも人気が高いIPであることに加え、2018年6月開催予定のFIFAワールドカップロシア大会が追い風となる可能性が高い。また、2018年4月2日からのアニメ放送開始が予定されていることも同ゲームに良い影響を与える可能性がある。

2. パイプラインの状況

2017年12月末のパイプライン(本開発中及びプロト開発中)は内製2本(そのうち他社IPが1本、自社IPが1本)、外製5本(そのうち他社IPが4本、自社IPが1本)の合計7本となっている。また、海外向けでは「シャニライ」の中国大陸版とグローバル版を同時リリース(2018年1月)し、順調に伸びているようだ。なお、他社IPには、これまで同様、一定のヒット率が期待できるタイトルが並ぶものの、外部の開発会社が開発を担っている外製タイトルの業績へのインパクトは、内製タイトルと比較して小さくなることには注意が必要である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《NB》

提供:フィスコ

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