TOKAI Research Memo(4):19年3月期の営業利益140億円の達成に向けた顧客基盤づくりが順調に進む

特集
2018年3月14日 17時46分

■今後の見通し

1. 2018年3月期業績見通し

TOKAIホールディングス<3167>の2018年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.0%増の189,400百万円、営業利益が同10.5%減の11,410百万円、経常利益が同11.1%減の11,360百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.1%減の6,450百万円と期初計画を据え置いた。売上高は4期ぶりの増収、営業利益は2期ぶりの減益に転じる見通しだ。第3四半期までの通期計画に対する進捗率は、売上高で70.4%、営業利益で57.7%となっており、直近3期間の平均進捗率(売上高71.9%、営業利益56.9%)とほぼ同程度の進捗となっている。第4四半期についても、市場環境に大きな変化は見られないことから、通期の会社計画はほぼ達成できるものと弊社では見ている。

なお、期初計画における2018年3月期の営業利益増減益要因を見ると、増益要因では顧客件数の拡大に伴う課金収入増で11億円となり、減益要因ではLPガス事業におけるエリア拡大に伴う拠点費用や顧客獲得コスト及び料金引き下げ等で11億円、「LIBMO」の販促費用で5億円、ガス事業や通信サービス事業等を中心とした顧客解約防止コストで9億円と合計25億円の先行コスト増を見込んでいた。ただ、前述したとおり先行コストの増加分に関しては、LPガス事業や「LIBMO」事業で計画をやや上回るペースとなっており、通期では33~34億円程度まで増加する見込みとなっている。これらのコスト増分をCATV事業や法人向け情報通信サービス事業の収益増でカバーする格好となる。

2018年3月期末のグループ顧客件数では、前期末比316千件万件増の2,880千件を計画している。残り41千件の獲得が第4四半期に必要となるが、このうち、14千件については2018年2月に子会社化した(株)テレビ津山(岡山県)の顧客(放送サービスで約10千件、通信サービス約4千件)で充当できるため残りは27千件で、引き続きLPガス事業やCATV、光コラボ、LIBMO、アクア事業等で増やしていくことになる。特に、LPガス事業については、販売価格が値上がり傾向となるなかで、新規エリアでは同社が価格面での優位性を活かせることから顧客開拓の好機とも言え、顧客獲得件数の伸びが期待される。

2. 2019年3月期業績見通し

2018年3月期については収益基盤となる顧客件数の獲得を最優先に先行コストを積極的に投下することで、営業利益は一旦落ち込むが、2019年3月期は顧客件数が順調に拡大したことで、中期経営計画で示した売上高2,020億円、営業利益140億円の達成が見えてきたとも言える。顧客獲得コスト等は2018年3月期とほぼ同程度投下する計画となっており、2019年3月末の顧客件数は今期見込み比で約4%増の299万件まで拡大していく計画だ。CATV事業やガス事業などについては、M&A案件の精査も同時並行で進めていく。営業利益については、先行コストがほぼ今期見込みと同額程度となることから、2019年3月期は増収効果がそのまま利益増要因になることが予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《MW》

提供:フィスコ

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