富田隆弥の【CHART CLUB】 「サクラ開花、三角上放れに期待」
◆春だ。サクラ開花の便りが届くようになり、心も体も爽やかになる季節。「彼岸底」という格言のある株式市場もここからは上昇しやすい。納税を終えて気分はスッキリ、3月期末の配当取りや4月新年度で動き出す年金買いなどに期待が膨らみやすくなる。ただし、「花の命は短くて…」、5月には「セルインメイ(株は5月に売れ)」という好ましからざる格言もある。夢を抱くのは大事なことだが、大きな夢を抱きすぎると失望やシッペ返しを招くリスクもあるので、ここはひと月程度の「春」をイメージしておきたい。
◆荒い値動きを続けるNYダウ平均だが、日足は25日移動平均線(2万4902ドル)を中心に三角保ち合いを煮詰めてきた。3月12日高値の2万5449ドルは三角保ち合いの上値抵抗線に叩かれ、14日安値2万4668ドルは三角の下値抵抗線に抵触したところ。トランプ大統領の発言に振り回されているが、徐々に大統領の狂言にも慣れてきたと言えよう。三角煮詰まりの基本は「放れに従う」であるから、下放れに注意は必要だが、ナスダックがすでに1月高値(7505ポイント)を抜いて最高値を更新(13日7637ポイント)しており、NYダウも上放れて1月高値2万6616ドルを試しにいく可能性は十分ある。
◆日本株はNY次第であるから、NYダウの三角保ち合いからの放れ足がポイントになるのはいうまでもない。日経平均株価の日足もいま25日移動平均線(2万1678円)を中心に三角を煮詰めている。三角の下値は二点底になった2万0900円台、上値は2万1850円処にある抵抗線で、三角からどちらに放れるかはNY次第だろう。
◆そのうえで日経平均は上昇しやすい季節を迎えたことから「上放れて75日線(2万2615円)を目指す」というシナリオが描ける。為替(ドル円)も106円前後で下値を固めており、円安方向に切り返す可能性もある。
◆NYダウが三角を下放れるとか、日経平均が2万0900円台を割り込むなら、春は「花冷え」するだろうが、そうでなければ「4月2万2700円指向」を想定して目先打診買いも悪くない。
(3月15日 記、毎週土曜日に更新)
株探ニュース