米国株式市場見通し:G20財務相・中銀総裁会議やFOMCが開催予定
今週もコーン国家経済会議委員長やティラーソン国務長官の後任指名に続き、重要ポストの人事交代が行われる可能性があり、政権運営の先行き不透明感が高まる恐れがあることに注意が必要だ。また、19-20日にはG20財務相・中銀総裁会議が開催予定であるが、トランプ政権が導入を決定した鉄鋼・アルミへの関税策を受け、声明文に保護主義への批判が言及されるかが焦点となりそうだ。中国などによる報復措置への懸念も強まるだろう。
20-21日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC) が開催され、会合終了後にはパウエルFRB議長の初会見も予定されている。先日発表されたベージュブックや雇用統計は概ね良好な内容となり、利上げはほぼ確実な状況だ。先週の消費者物価指数では物価上昇は限定的で、小売売上高は3ヶ月連続で前月比マイナスとなった。雇用統計で平均時給の伸びが鈍化したこともあり、今後の追加利上げペースについて緩やかな見通しを示唆するかどうかにに注目したい。
経済指標では、2月中古住宅販売件数(21日)、1月FHFA住宅価格指数(22日)、3月マークイット米国製造業PMI(22日)、2月景気先行指数(22日)、2月耐久財・製造業受注(23日)、2月新築住宅販売件数(23日)などの発表が予定されている。先週に発表された住宅関連指標は概ね堅調ではあったものの住宅市場の鈍化が示された。今週の住宅関連指標にも注意が必要だが、30年固定住宅ローン金利は今年に入って初めて低下しており、影響を注視したい。
個別銘柄では、ソフトウェア大手のオラクル(19日)、運輸・宅配のフェデックス(20日)、食品のゼネラルミルズ(21日)、クルーズ客船運航のカーニバル・コーポレーション(22日)、半導体のマイクロン・テクノロジー(22日)、スポーツ用品のナイキ(22日)などの決算発表が予定されている。エヌビディアは、ゴールドマンサックスが人工知能(AI)ハードウェア市場の成長による好影響を指摘したほか、一部アナリストによる投資判断引き上げを受けており、好決算が期待される。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ