前場に注目すべき3つのポイント~日米政治動向を睨みながらの不安定な相場展開に

市況
2018年3月19日 8時45分

19日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:日米政治動向を睨みながらの不安定な相場展開に

■決算チェック:システナの18年3月期営業利益は35%増と従来予想上振れの公算

■前場の注目材料:東芝、神経ガス高感度検出、テロ対策センター開発

■日米政治動向を睨みながらの不安定な相場展開に

今週は日米政治動向を睨みながらの不安定な相場展開が強まるリスクがありそうだ。米国では良好な経済指標の発表が材料視される一方で、通商問題への不透明感が手掛けづらくさせている。先週はコーン国家経済会議(NEC)議長の後任に保守系の著名経済評論家ラリー・カドロー氏を起用することが決まった。カドロー氏起用により通商政策で米政権の強硬姿勢が増す可能性があり、トランプ政権は「米国第一主義」を一段と推し進める陣容になりつつある。そのため貿易戦争への懸念が高まりやすく、相場の先行き不透明感がより強まることが不安要因となる。

また、国内でも森友スキャンダルが方向感を掴みづらくさせている。学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改ざん問題に関し、「理財局の単独犯行」では説明がつかない状況にある。今週は20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が19、20日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれるが、麻生財務相の欠席が決まった。仮想通貨の規制等で日本の存在感を示せない可能性があるほか、何より政治不安が海外勢のポジション圧縮を強める一因になるリスクもあろう。

海外投資家は今年に入って7.8兆円を売り越しており、先回りとの声も一部では聞かれるものの、買い越しに転じるきっかけが読み難い需給状況であろう。為替相場の円高基調による2018年度の企業業績に対する下方修正リスクも手掛けづらくさせる。期末要因から貸株返却に伴う買戻し等が需給面での下支えとして意識される面もあろうが、リバウンド機運は高まることはなさそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)

■システナの18年3月期営業利益は35%増と従来予想上振れの公算

独立系システムインテグレーターのシステナ<2317>の18年3月期営業利益は前期比35%増の50億円程度になりそうだと報じられている。従来予想の44億円(同19%増)から上振れし、市場予想(50億円弱)水準を達成する見込み。本格化し始めた働き方改革が追い風となり、ソフトウエア開発やシステム保守運用が引き続き好調で、営業利益は3期連続で過去最高を更新するもようだ。売上高も同1割増の500億円程度と、従来予想の492億円(同6%増)から上振れするとみられている。19年3月期について、同社は中期経営計画で売上高を今期予想比12%増の560億円、営業利益を同10%増の55億円と想定している。ただ、18年3月期第3四半期累計の受注は前年同期比5.2%増の213億円にとどまっており、来期の2ケタ増収増益を達成するためには受注の増加ペースも今後2ケタ台に乗せてくることが必要だろう。2月から高値圏で値固めを続けている同社株価が本格的に上放れるためには、受注の増加ペースの加速を確認することが条件となりそうだ。

■前場の注目材料

・NYダウは上昇(24946.51、+72.85)

・NY原油は上昇、(62.34、+1.15)

・日銀、大規模な金融緩和を維持

・好業績銘柄への押し目買い意欲強い

・ナスダックは上昇(7481.99、+0.25)

・VIX指数は下落(15.80、-0.79)

・SOX指数は上昇(1422.54、+0.47)

・東芝<6502>、神経ガス高感度検出、テロ対策センター開発

・NTN<6472>、再雇用の年収25%増、人事制度を改定

☆前場のイベントスケジュール

<国内>

・09:00  参院予算委員会で公文書管理・行政の在り方等に関する集中審議、

安倍首相や麻生財務相らが出席

・10:10  国債買い入れオペ(残存期間1年超5年以下と5年超10年以下)(日本銀行)

・10:40  社債等買い入れオペ(日本銀行)

<海外>

・10:30  中・不動産価格指数(2月)

《HT》

提供:フィスコ

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