来週の相場で注目すべき3つのポイント:米中貿易戦争開戦、森友スキャンダル、年度末最終売買
■株式相場見通し
予想レンジ:上限20600-下限19500円
来週は米国市場動向と為替睨みで週の前半は引き続き軟調な地合いを引きずりそうだ。また、23日のCME225先物は大証日中終値比180円安の20170 円(配当分考慮で約20330円)となっており、日経平均は20000円の大台を意識する神経質な展開ともなりそうだ。急激な円高は、輸出採算悪化を連想させる外需関連セクターに対する来期収益見通し懸念を高めさせ、売りが先行する展開が予想される。
一方、需給面での光明も有る。一部の国内企業では、金利上昇と円高によって外債の含み損が膨らみ、外債売りは円高圧力に作用していた。こうした決算対策売りは28日の実質年度替わりで一巡する。また、3月期決算企業の「配当落ち分の再投資の動き」が加わってくる期待がある。今3月期末の配当総額は過去最高の13兆円とも試算されている。こうした買いは国内機関投資家にとどまらずに、海外機関投資家も同様。外国人投資家が月間ベースで17年連続して4月に買い越していることも材料視されている。今週は30日に年度最終日となり、急激な下げからくる自律反発的な戻りと3月決算企業の配当、株式分割、株主優待の各種権利取り最終日を27日に控えた買いは限定的ながら、需給面での変化が週半ばあたりからみられそうだ。
政治スケジュールも1つのヤマ場を迎える。衆院予算委員会において27日午後2時から2時間10分の予定で行われる佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問(参院予算委は27日午前に2時間)で新たな問題が生じなければ、燻っていた政局リスクが一時的に後退して、週後半の相場に短期的なアク抜け感が台頭する可能性もある。
■為替市場見通し
来週のドル・円は弱含みか。20-21日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で予想通り0.25ポイントの追加利上げが決定された。ただ、今年の利上げ回数は3回の予想で従来と変わりなく、利上げペース加速への期待はやや後退しており、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小した。
また、トランプ米大統領は中国が米国の知的財産権を侵害していると認定し、中国製品に25%の追加関税を課すことを柱とする制裁措置を指示する大統領令に署名した。トランプ米政権は保護主義的な通商政策への傾倒を強めることになるが、この動きはドル売り材料になるとの見方が依然として多い。
■来週の注目スケジュール
3月26日(月):NZ貿易収支、ブ貿易収支など
3月27日(火):佐川前国税庁長官の証人喚問、米消費者信頼感指数など
3月28日(水):米MBA住宅ローン申請指数、米10-12月GDP確報値など
3月29日(木):商業動態統計、独失業率、英経常収支、米個人所得など
3月30日(金):鉱工業生産指数、失業率など
3月31日(土):中製造業PMI、中非製造業PMIなど
《TM》
提供:フィスコ