2日の米国市場ダイジェスト:NYダウは458ドル安、米中貿易摩擦やハイテク株の下げを嫌気
■NY株式:NYダウは458ドル安、米中貿易摩擦やハイテク株の下げを嫌気
2日の米国株式相場は下落。ダウ平均は458.92ドル安の23644.19、ナスダックは193.33ポイント安の6870.12で取引を終了した。中国が米国製品130品目に対する報復関税策の実施に踏み切ったことで貿易摩擦への懸念が拡大し、売りが先行。トランプ大統領によるネット小売のアマゾン(AMZN)の納税を巡る批判にマルコ・ルビオ共和党議員が同調したほか、電気自動車のテスラ・モーターズ(TSLA)が、自動運転車を巡る死亡事故の調査内容を先行開示したことに当局が難色を示し、課税・規制強化への警戒感からハイテク企業が売り込まれ、終日大幅下落となった。セクター別では全面安となり、特に半導体・半導体製造装置や小売の下落が目立った。
半導体のインテル(INTC)は、携帯端末のアップル(AAPL)が2020年頃からMac(デスクトップ型PC)に搭載する半導体を自社生産に切り替える計画が明らかとなり、下落。ハイテク業界の先行き不透明感が広がり、SNSのフェイスブック(FB)、動画ストリーミングのネットフリックス(NFLX)、ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)、検索大手のアルファベット(GOOGL)が軟調推移。一方で、医療保険のヒューマナ(HUM)は、小売大手のウォルマート(WMT)による買収観測が浮上し、上昇した。
複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)は、ヘルスケア事業の一部をプライベート・エクイティ(PE)に10.5億ドルで売却合意した。重点事業の選択と集中を進めることで業績低迷からの脱却を目指しているようだ。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:米中貿易摩擦の深刻化を懸念して円買い強まる
2日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円45銭へ上昇後、105円66銭まで反落し、105円89銭で引けた。米国3月のISM製造業景況指数や2月建設支出が予想を下回ったことに加え、米中両国の貿易摩擦の深刻化が米国企業の収益を圧迫するほか、世界経済にも悪影響を及ぼすとの懸念が高まり、米債利回りの低下に伴うドル売り、リスク回避の円買いが加速。中国政府はトランプ米政権による輸入制限の報復措置として、米国製品に最大25%の関税を上乗せする措置を発動すると発表した。ユーロ・ドルは、1.2345ドルから1.2282ドルまで下落して1.2304ドルで引けた。ユーロ・円は、131円30銭から129円98銭まで下落した。リスク回避の円買いが加速。ポンド・ドルは、1.4078ドルから1.4026ドルまで下落。ドル・スイスは、0.9527フランから0.9565フランまで上昇した。
■NY原油:大幅反落で63.01ドル、米中貿易摩擦に対する警戒感高まる
NY原油先物5月限は大幅反落(NYMEX原油5月限終値:63.01 ↓1.93)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比-1.93ドルの63.01ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時62.80ドルまで売られた。米中貿易摩擦に対する市場の警戒感が再び高まったことが要因。米中間の貿易摩擦は世界経済の持続的な成長を阻害し、原油需要の減少につながるとの見方が広がった。米国株の大幅反落も嫌気されたようだ。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.31ドル -0.68ドル(-2.27%)
モルガン・スタンレー(MS) 52.72ドル -1.24ドル(-2.30%)
ゴールドマン・サックス(GS)247.35ドル -4.51ドル(-1.79%)
インテル(INTC) 48.92ドル -3.16ドル(-6.07%)
アップル(AAPL) 166.68ドル -1.10ドル(-0.66%)
アルファベット(GOOG) 1006.47ドル -25.32ドル(-2.45%)
フェイスブック(FB) 155.39ドル -4.40ドル(-2.75%)
キャタピラー(CAT) 143.89ドル -3.49ドル(-2.37%)
アルコア(AA) 44.34ドル -0.62ドル(-1.38%)
ウォルマート(WMT) 85.55ドル -3.42ドル(-3.84%)
スプリント(S) 4.85ドル -0.03ドル(-0.61%)
《HT》
提供:フィスコ