富田隆弥の【CHART CLUB】 「下値を固め上値模索」
◆トランプ米大統領の狂言にいまもマーケットは右往左往。自国優先主義、貿易戦争、そしてシリア問題とお騒がせ続きだが、いくら中間選挙を睨んでのパフォーマンスとはいえ困ったもの。いったいこの先どうなってしまうのか不安を禁じ得ない。ただ、マーケットは徐々に落ち着きを見せてきた。日経平均株価、NYダウ平均とも日足チャートは200日移動平均線や52週移動平均線を下値に値を固め、為替(ドル円)も107円台を回復、上抜いた25日移動平均線を下値抵抗として反転の雰囲気を漂わす。
◆こうなると4月後半から5月にかけて上値を試す可能性が出てきた。昨年の4月は17日に底入れしたほか、好調が想定される米国の決算発表も始まることからタイミング的にも「そろそろ」と言えるだろう。
◆とはいえ、日米とも2月の調整でチャートに亀裂を入れており、ここから上昇しても「アヤ戻り」と捉えておく必要はある。当面の上値メドは、日経平均(12日終値2万1660円)でいえば75日移動平均線や一目均衡表の「雲」(先行スパン)のある2万2200円~2万2500円、NYダウ(11日終値2万4189ドル)ならば75日移動平均線の2万4991ドル~3月12日高値2万5449ドルがメドになる。
◆「セル・イン・メイ(株は5月に売れ)」の格言が意識されるように、5月にそういった上値を試す可能性はある。そうであれば、アヤ戻りだとしても1ヵ月勝負と割り切って「買い」で動いてみる価値はあるだろう。円安とともに電機、ハイテク、自動車などが切り返すことも想定される。
◆勿論、その先のことは不明だし、上昇することなく下にある200日移動平均線や52週移動平均線を割り込むようであれば「要警戒」になることは覚悟しておく。
(4月12日 記、毎週土曜日に更新)
株探ニュース