話題株ピックアップ【夕刊】(2):シンクロ、ソフトバンク、スルガ銀
■IIJ <3774> 2,118円 +63 円 (+3.1%) 本日終値
インターネットイニシアティブ<3774>が反発。この日、100%子会社で法人向けWANサービス事業を展開するIIJグローバルソリューションズが、海外や地方拠点の工場など、遠隔地にある設備をリモートでメンテナンスする「Global Remote Maintenance Service(グローバル リモート メンテナンス サービス」を5月1日から開始すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。同サービスは、デンマークに本社を置くセコメア社が提供するサービスアダプタを活用したサービスで、産業設備などにセコメア社のサービスアダプタを接続するだけで、IIJのクラウドサービス「IIJ GIO」を経由したリモートアクセスによる、遠隔での保守作業を可能にするという。海外や地方拠点の工場など遠隔地にある設備を集中監視し、リモート保守を実現することで、コストや運用負荷の軽減を図るとしている。
■シンクロ・フード <3963> 1,138円 +33 円 (+3.0%) 本日終値
シンクロ・フード<3963>が続伸。17日取引終了後、同社が運営する飲食店の出店開業・運営に役立つサービスをワンストップで提供する情報サイト「飲食店.COM」の登録ユーザー数が13万件を突破したと発表したことが好感された。「飲食店.COM」の登録ユーザー数(退会ユーザーを除外)は直近1年間で1万6000件増加した。「飲食店.COM店舗物件探し」において東海版のサービス提供を開始し、「求人@飲食店.COM」において九州版、北海道・東北版をリリースするなど、積極的なエリア拡大を推進したほか、オウンドメディアであるFoodist mediaの認知度向上などにより、サイト訪問者数が増加しているという。
■ソフトバンクグループ <9984> 8,201円 +231 円 (+2.9%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は3日ぶりに反発。17日の米株式市場で、アップルやアマゾン・ドット・コムといった主力IT関連株が上昇。「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」を通じて世界のIT関連株に積極的な投資を行う同社株にも見直し買いが流入した。また、SMBC日興証券は17日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに目標株価を1万1000円から1万1200円に引き上げた。米フェイスブックの情報管理問題などでインターネット業界のイメージが低下したが、これは特殊な出来事による一時的なものとみている。今後は「国内通信事業の業績は19年3月期下期から回復する」ことや「SVFが出資するベンチャー企業のIPOが19年3月下期から徐々に始まる」ことなどを評価材料に挙げている。
■新明和工業 <7224> 1,107円 +26 円 (+2.4%) 本日終値
新明和工業 <7224> が3日続伸。旧村上ファンド関係者が運営する投資会社レノが17日付で財務省に変更報告書(5%ルール報告書)を提出した。報告書によると、レノと共同保有者の同社株式保有比率は6.86%→8.40%に増加したことがわかった。これを受けて、株主発言による株主還元強化を期待する買いなどが向かったようだ。
■トピー工業 <7231> 3,195円 +65 円 (+2.1%) 本日終値
トピー工業<7231>が反発。17日取引終了後、自動車用アルミホイールの製造・販売を手掛ける旭テック(静岡県菊川市)を傘下に持つATCホールディングスを5月31日付で完全子会社化すると発表したことが好感された。旭テックは、日本で設計、開発したアルミホイールを、中国とタイにあるグループ会社で生産し、日系自動車メーカーを中心としてグローバルに供給している。トピー工業は、既にスチールホイールのグローバル供給体制を構築し、世界の主要自動車メーカーへ供給しているが、アルミホイールについては、高付加価値製品に特化した国内の生産拠点に留まっていた。今回の株式取得により、アルミホイールのグローバル供給体制の新たな基盤を構築し、拡大する需要を取り込む狙い。なお、19年3月期業績に与える影響は精査中としている。
■トリドール <3397> 3,705円 +45 円 (+1.2%) 本日終値
トリドールホールディングス<3397>が反発。この日、シンガポール初の店舗として、「丸亀製麺シンガポールION店」をグランドオープンしたと発表しており、海外事業のさらなる拡大に期待した買いが入った。今回のシンガポール進出は、多様な文化が混在し東南アジアのハブでもある同地で繁盛店を作り上げることに加えて、ASEANはもちろん、中東や欧州にまでその評判を伝えることを目的としているという。同社では21年3月末までに10店舗展開を目指すとしている。
■CYBERDYNE <7779> 1,445円 +15 円 (+1.1%) 本日終値
CYBERDYNE<7779>が続伸。17日の取引終了後、厚生労働省の人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)の助成対象に、4月から同社の「HAL 腰タイプ介護支援用」を含む「装着型移乗介助機器」が追加されたと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同助成金は、介護労働者の身体的負担を軽減するために、新たに介護福祉機器を導入し、また、労働環境の改善や離職率の低下が図られた場合に助成されるという。機器導入助成と目標達成助成を合わせて最大で助成対象費用の60%(生産性要件を満たした場合)の受給が可能となる。
■スルガ銀行 <8358> 1,255円 -299 円 (-19.2%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
スルガ銀行<8358>は急落。17日夜に、朝日新聞デジタルが「シェアハウス投資で地方銀行のスルガ銀行の融資の過程で不正が発覚した問題に関連し、中古マンション投資でも不正が相次いでいることがわかった」と報じたことが嫌気されたようだ。不動産業者に託した融資書類が改ざんされ、融資条件に合うように見せかけられていたとしている。金融庁は13日、スルガ銀行に立ち入り検査に入った。シェアハウスのオーナーへの融資を巡り、スルガ銀行の経営陣が不正に関与した疑いが浮上しており、同庁は融資担当者や経営陣の関与など融資の実態解明を急いでいる。女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズは9日、民事再生法の適用を東京地方裁判所に申請している。同社は、シェアハウスのオーナーから物件を一括で借り上げ、オーナーに長期間賃料の支払いを保証するサブリース事業を展開していたが、入居率が低迷しスマートデイズは今年1月以降、オーナーへの賃料支払いを停止していた。オーナーのほとんどがスルガ銀行から融資を受けていた。
■アイホン <6718> 1,756円 -75 円 (-4.1%) 本日終値 東証1部 下落率7位
アイホン<6718>が大幅安で3日続落。17日の取引終了後、集計中の18年3月期連結業績について、売上高が従来予想の460億円から451億円(前の期比2.8%増)へ、営業利益が33億円から28億円(同0.9%増)へ、純利益が22億円から15億5000万円(同25.2%減)へ下振れて着地したようだと発表しており、これを嫌気した売りが出た。国内の住宅市場およびケア市場でともに新築における売り上げが伸び悩んでいることに加えて、海外市場でも欧州で他社との競争が厳しさを増していることが要因。また、研究開発費などの経費の増加も利益を圧迫した。なお、18年3月期の業績下振れを受けて、31年3月期を最終年度とする中期経営計画の数値目標も売上高を500億円から475億円へ、営業利益を50億円から30億円へ下方修正した。
株探ニュース