富田隆弥の【CHART CLUB】 「サイコロ9勝、目先調整も想定」
◆NYダウ平均は17日に2万4858ドルまで上げ、上値を押さえていた25日移動平均線と抵抗ラインを突破した。そして、日経平均株価は19日現在で5日続伸、2万2000円台を回復するなど、ようやく株式市場は「4月」のアノマリー通り上昇に動き始めた。こうなると、次は2万3000円を目指して5月、6月と上昇を想定したくなるところだが、上昇ピッチが緩慢になることは覚悟しておきたい。
◆まず日経平均(19日終値2万2191円)だが、2万1000円台で2カ月半の値固めからの浮上という流れは悪くなく、3月26日安値(2万0347円)から9週目に当たる5月末まで上昇続けて、2月に空けた窓(2月5日窓:2万2659円、2月2日窓:2万3122円)を埋めに行く可能性もある。
◆だが、チャートは75日移動平均線(2万2227円)や一目均衡表の「雲」(2万1586~2万2533円)、26週移動平均線(2万2346円)などの節に差し掛かった。3月26日の安値(2万0347円)から日足はジリ高基調が続いており、少し調整入れてもおかしくない。サイコロジカルラインが19日に警戒の「9勝3敗」になった。12日間の星取りで見る単純な指標ながら「9勝」の警戒信号は意外によく当たるので侮れない。
◆そして、日本株のカギを握るNYダウ。17日にザラバで2万4858ドルまで上昇したが、一目均衡表の「雲」(2万4706~2万4988ドル)や13週移動平均線(2万4799ドル)などのある節に差し掛かった。75日移動平均線(2万4978ドル)も2万5000ドル近辺に待ち構えているので、こちらも少し調整を入れてもおかしくないところだろう。
◆例年、5月~6月に高値を目指すことは珍しくなく、今年もそのような展開になる可能性はあるが、スピード調整を挟みながらの上昇をイメージする。ただし、日米とも2月の調整でチャートに亀裂を入れており、ここからの上昇は「アヤ戻り」であって、調整しやすい夏相場を踏まえると「二番天井」模索の局面となる。目先と中期の相場をイメージしながら、個別株は機敏に対応するのが望ましい。
(4月19日 記、毎週土曜日に更新)
株探ニュース