来週の相場で注目すべき3つのポイント:日中韓首脳会談、日銀金融政策決定会合議事要旨、国内決算発表ピーク
■株式相場見通し
予想レンジ:上限24000-下限22000円
GW明けの5月第2週は、長期金利アレルギーを抱えるNYダウと為替動向を睨みつつ、もみ合いながらも日経平均は上値を伺う動きとなりそうだ。日経平均は1月高値から3月安値に対する半値戻しを達成し、戻り待ちの売りが出やすくなっている。一方、22000円台にある75日線がサポートする底堅い動きを継続し、一目均衡表の「雲上限」(22533円)も位置する2月27日戻り高値の22502円が意識されてこよう。なお、1949年以降、5月月間の日経平均の上昇は34回、下落は35回でほぼイーブン。過去2年間、GW明け後の日経平均は堅調な展開をみせている。
ここからの決算発表スケジュールでは、8日の三菱商事<8058>、9日のトヨタ<7203>、10日のパナソニック<6752>がそれぞれポイントになる。物色的には引続き決算発表に一喜一憂する業績相場が想定されるが、個別材料に対する株価の感応度も高まっている。反面、IPOが空白期間に入ることもあり、JASDAQ、マザーズの出来高は減少傾向となっており、大型株から中小型に物色人気がどの時点でスイッチするかも焦点だ。また、GW明けには、6月にIPOする企業の発表が始まる。知名度の高い大型企業の登場も一部で観測されており、これらの材料を背景に、個別株物色の局地戦が展開されそうだ。
外交面では中国の李克強首相が8日から11日に初来日、9日に東京で日中韓首脳会談が行われる。国内イベントとしては、IoT、クラウド、モバイル、セキュリティ等を網羅した日本最大のIT専門展示会「Japan IT Week春2018」が開催される。企業から材料が出ればIT関連株物色の手がかりとなることも期待されよう。
■為替市場見通し
来週(4月30日-5月11日週)のドル・円はやや底堅い動きとなりそうだ。日米金利差拡大、米長期金利の上昇を手がかりとしたドル買いは継続し、心理的に重要な節目となる110円台を再度目指す展開となりそうだ。5月1-2日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利は据え置かれたが、米国経済は雇用情勢、インフレなど力強さが目立ち、米利上げペース加速への期待が再燃しつつある。米10年債利回りは節目の3.00%台を一時上回った。米長期金利が再び3%台に上昇した場合、短期筋などのドル買いが活発となる可能性がある。
一方、欧州中央銀行(ECB)は足元の経済指標の弱さを認めたことで、早期引き締め期待は大幅に後退した。また、5月9-10日開催の英中央銀行金融政策委員会(MPC)では、予想に反してハト派寄りの政策決定となる可能性がある。好調な米国経済を意識してドル選好地合いが強まる展開となりそうだ。また、早ければ5月中に行われる可能性がある米朝首脳会談に向け、北朝鮮の非核化実現に期待が高まれば、リスク回避の円買いは縮小する可能性が高い。
■来週の注目スケジュール
5月7日(月):日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨、米消費者信用残高など
5月8日(火):独貿易収支、米JOLT求人件数など
5月9日(水):IT関連展示会「Japan IT Week 春」、米生産者物価コア指数など
5月10日(木):米新規失業保険申請件数、イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表など
5月12日(土):イラン核合意見直し期限、イラク議会選挙など
《SK》
提供:フィスコ