【植木靖男の相場展望】 ─ 個別材料株物色が続く

市況
2018年5月6日 9時15分

「個別材料株物色が続く」

●初期調整後の“押し”に注目

株価は順調に浮上しつつあるようだ。日経平均株価は3月23日の2万0617円を安値(終値ベース)に、4月には待望の3日連騰となり、その後、半値戻りの2万2373円も突破。さらに2月安値後の戻り高値2万2389円を上抜き、連休の谷間では市場が注目していた2万2500円も突破した。

かくして、次々と上値抵抗線を上抜き、これをもって“長く、そして楽しい道のりを歩み始めた”との印象を筆者は強く持った。

だが、この旅立ちは、結構険しい登り下りがあるようにも思える。

多くの投資家がもっとも懸念しているのは、リーマン・ショック後の長い景気拡大期がいつ大転換を迎えるか、である。市場の大勢は2019年頃と漠然と考えている。通常、株価は景気の腰折れの半年から1年前に先行して天井を打つ。例えば、平成バブルは1991年春に腰折れしたが、株価は1989年大納会に天井を打った。1年ちょっと先行した。仮に今回、2019年年央に景気が屈折するとすれば、早くて今年年央には株価は天井を打つことになる。このくらいの警戒心を持つことが肝要かもしれない。

ともあれ、上昇基調がこのまま続くとすれば、経験則からすれば8~9月頃にピークを迎えると予想している。

3月23日安値以降、初期調整はまだみられない。おそらく、60~70%戻りが通常。ちなみに、13年5月の急落後の戻りは74%であった。2万3000円処が上値のメドか。

その後の展開は、押しの程度による。押しが浅ければ、6月以降天井に向けて走り出すことになろう。

●日米株価の相違は将来、大きな意味を持つ

もちろん、地政学的リスク、政治リスクも見逃せないが、流れを変えるほどとも思えない。むしろ気掛かりなのは米国の長期金利の行方である。インフレ懸念の強まりから長期金利が急騰すれば、わが国株価は円安が進行しプラス、しかし 米国株にとっては景気への影響を警戒してマイナスに働く。

目下、米国株は、2月安値後の戻り高値を未だ上抜いていない。しかし、日本株はすでに突破しているのは前述した通りである。この日米の株価推移の相違は、将来大きな意味を持ってくるように思えてならない。

さて、目先的な銘柄をどうみればよいか。柱はまだみえず、個別株材料物色が続こう。まずはアウトソーシング <2427> だ。人手不足、特に技術者は不足感が著しい。今期大幅増益、2円増配意向だ。

次いでラウンドワン <4680> 。労働時間短縮で屋内型複合レジャー施設が見直されることになろう。もうひとつは東海カーボン <5301> 。主力の黒鉛電極が需給逼迫している。今期も大幅増益となりそう。12円増配の24円配方針。

2018年5月2日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.