明日の株式相場見通し=円安追い風に買い優勢、個別銘柄物色が佳境に
あす(10日)の東京株式市場は、米国による対イラン経済制裁再開に伴う中東情勢悪化を懸念するマイナス要因は継続するものの、外国為替市場での円安・ドル高進行に伴う輸出関連銘柄への買いも想定され、日経平均株価は小幅反発となりそうだ。また、取引時間中に決算を開示する企業数も増加することから、市場ボリュームも膨らむことになりそうだ。
市場関係者からは「きょうは、午前中に外国為替市場で円安・ドル高が進行したにも関わらず、株式市場は売り優勢のまま推移した。その理由として“後場の取引時間中に開示されるトヨタ自動車<7203>の決算内容が判明するまでは動きづらい”との声があった。発表されたトヨタの19年3月期営業利益は、前期比4.2%減ながら2兆3000億円と、大方の市場予想を上回り、ポジティブサプライズと受け止められた。トヨタの“慎重予想”に慣れたアナリストには、1ドル=105円想定でのこの水準は、“裏付けに基づいた強気”と映ったようだ。トヨタ株は前日に比べて4倍の売買代金を集め、株価は269円高の7424円と大幅高した。市場全体が懸念していた大きなリスク要因がひとつ解消した」との見方が出ていた。
9日の東京株式市場は売り優勢の展開となり、日経平均は前場急速に下げ幅を縮小する場面もあったが戻しきれず売り直された。後場終盤はやや下げ渋った。日経平均株価終値は、前日比99円81銭安の2万2408円88銭と反落した。
日程面では、日銀金融政策決定会合の主な意見(4月26~27日分)、3月の国際収支、4月の景気ウォッチャー調査、4月の都心オフィス空室率に注目。海外では、英国が金融政策を発表、米4月の消費者物価指数、米4月の財政収支、中国4月の消費者物価指数・生産者物価指数が焦点になる。(冨田康夫)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)