23日の米国市場ダイジェスト:NYダウは52ドル高、FOMC議事録を好感
■NY株式:NYダウは52ドル高、FOMC議事録を好感
23日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は52.40ドル高の24886.81、ナスダックは47.50ポイント高の7425.96で取引を終了した。アジア・欧州株がほぼ全面安となり売りが先行。貿易摩擦を巡る米中関係への先行き不安や米朝首脳会談実現への懐疑的な見方から投資家心理が悪化し、軟調推移となった。しかし、FOMC議事録では、大半の当局者が堅調な経済見通しを受けて、近く利上げが必要となるとの認識を示す一方で、インフレ率が目標から若干上振れたとしても、米経済に影響を与えないとの考えから利上げを急がない姿勢も確認された。発表後に株価は下げ幅を縮小し、引けにかけて上昇に転じた。セクター別では、小売やソフトウェア・サービスが上昇する一方でメディアや自動車・自動車部品が下落した。
宝飾品のティファニー(TIF)は、既存売上高が予想を大幅に上振れ急騰。アパレルのラルフローレン(RL)やホームセンターのロウズ(LOW)は、決算内容が好感され大幅上昇。一方で、ディスカウントストアのターゲット(TGT)は、売上高が予想を下振れ下落。ケーブルテレビのコムキャスト(CMCSA)は、メディアのウォルト・ディズニー(DIS)による21世紀フォックス(FOX)の映画・テレビ事業の買収の対抗案を正式に公表し、財務負担を懸念する売りが広がった。
通信大手のTモバイル(TMUS)とスプリント(S)の合併計画に関して、6月27日に米上院が公聴会を開催することが明らかとなった。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:米国株反転でリスク回避の円買い一服
23日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円68銭から110円33銭まで反発し、110円08銭で引けた。新興諸国通貨の下落や米朝首脳会談の実現性が薄れたことを受けた地政学的リスクの上昇を嫌気したドル売り・円買いが続いた。その後、トルコ中央銀行がリラ安是正の緊急利上げを実施し、リラ売りが一段落したことや、この日公表された5月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で利上げを急がない方針が確認されたため、米国株は反転し、リスク回避のドル売り・円買いは一服した。
ユーロ・ドルは、1.1719ドルから1.1676ドルまで下落し、1.1700ドルで引けた。イタリアの政局不安やユーロ圏の経済指標悪化を受けて、緩和策の早期解除観測は大きく後退し、ユーロ売りに拍車がかかった。ユーロ・円は、128円34銭から129円06銭まで買われた。ポンド・ドルは、1.3306ドルから1.3365ドルまで上昇。ドル・スイスは、0.9903フランから0.9978フランまで上昇した。
■NY原油:続落で71.84ドル、原油在庫の大幅な増加が嫌気される
NY原油先物7月限は続落(NYMEX原油7月限終値:71.84 ↓0.36)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日比-0.36ドルの71.84ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時71.19ドルまで下落した。23日発表された米週間在庫統計で、原油とガソリンの在庫は減少予想に反して増加していたことが嫌気された。原油在庫は前週比で577.8万バレル増加した。(市場予想は200万バレル程度の減少)ただし、供給不足に対する市場の警戒感は消えていないため、71ドル台前半では押し目買いが観測されており、原油先物の下げ幅は縮小した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 30.44ドル -0.45ドル(-1.46%)
モルガン・スタンレー(MS) 54.35ドル -0.53ドル(-0.97%)
ゴールドマン・サックス(GS)237.81ドル -0.19ドル(-0.08%)
インテル(INTC) 55.21ドル +0.76ドル(+1.40%)
アップル(AAPL) 188.36ドル +1.20ドル(+0.64%)
アルファベット(GOOG) 1079.69ドル +9.96ドル(+0.93%)
フェイスブック(FB) 186.90ドル +3.10ドル(+1.69%)
キャタピラー(CAT) 157.74ドル +1.54ドル(+0.99%)
アルコア(AA) 48.57ドル -1.12ドル(-2.25%)
ウォルマート(WMT) 83.01ドル -0.36ドル(-0.43%)
スプリント(S) 5.14ドル -0.04ドル(-0.77%)
《FA》
提供:フィスコ