話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、大成建、アステラス
■トランス・コスモス <9715> 2,676円 +90 円 (+3.5%) 本日終値
トランスコスモス<9715>が3日ぶりに反発。同社はきょう、DMM.com(東京都港区)やCandee(東京都港区)、ベルギーのSTVVと共同で、STVVが運営するベルギーのサッカー1部リーグチームのスタジアムICT化を目指した「コネクテッドスタジアム事業」を開始すると発表した。トランスコスモスは、コネクテッドスタジアム事業の第1弾であるSTVV公式アプリの開発・運用を支援。また、同社子会社のplaygroundが提供する電子チケット発券システム「QuickTicket」の導入や、スタジアムで利用するローカル通貨であるJetonのデジタル化、動画をはじめとするデジタルコンテンツの拡充と販売面の強化など、テクノロジーの導入コンサルティングから運用までをワンストップで提供する。
■トヨタ自動車 <7203> 7,122円 +201 円 (+2.9%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が続伸。きょう取引時間中に外国為替市場でドルが買い戻され、足もとは1ドル=109円近辺で推移、これを受けて輸出採算改善期待から同社株への買いが厚くなった。同社の通期想定為替レートは1ドル=105円で実勢より4円近く円高で設定されている。トランプ米政権の保護主義政策に対する懸念はくすぶるものの、5月下旬以降の下げは行き過ぎとの見方も強く、目先は値ごろ感からの押し目買いを誘導している。
■ハーバー研究所 <4925> 11,460円 +320 円 (+2.9%) 本日終値
ハーバー研究所 <4925> [JQ]が大幅続伸し、上場来高値を更新した。同社は無添加主義を掲げる自然派化粧品メーカーで、通信販売を主体に百貨店向け卸売、直営店を展開している。欧米の情勢や円高進行などで輸出関連は積極的に手掛けにくい展開が続くなか、内需関連の好業績株として買いが集まった。同社の業績は訪日外国人需要の取り込みなどで、主力の基礎化粧品の販売が好調に推移しており、前期まで3期連続の経常最高益を達成。19年3月期の経常利益は前期比4.6%増の25億円と4期連続の過去最高益を見込んでいる。今期は地域ごとの広告戦略や販売促進イベントを最適化し、新規顧客の開拓を進めていく。
■日東紡績 <3110> 2,563円 +66 円 (+2.6%) 本日終値
日東紡<3110>が反発。きょう付の日経産業新聞で「2020年度までに、電子基板向け極細グラスファイバーの生産量を5割増やす」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、スマートフォンの絶縁材として需要が拡大する見通しであることから、60億円を投じて供給力を高めるとしている。同社のグラスファイバー事業は18年3月期で売上高が700億円強で全体の84%を占めており、なかでも成長が期待できる電子基板向け極細グラスファイバーの生産量を増やすことで、業績全体の成長を図る方針のようだ。
■大成建設 <1801> 6,110円 +120 円 (+2.0%) 本日終値
大成建設<1801>、大林組<1802>、清水建設<1803>、鹿島<1812>など大手ゼネコンをはじめ建設株全般に物色資金がシフトしている。イタリア政局不安の問題や米保護主義に対する懸念、為替市場では足もとこそ円安に振れているが、引き続き円高警戒感がくすぶるなか輸出主力株に積極的な買いが入りづらい環境にある。相対的に内需に目が向きやすく、活発化する都市再開発や東京五輪需要などが追い風となっている建設セクターが浮上してきた。
■アステラス製薬 <4503> 1,694円 +29.5 円 (+1.8%) 本日終値
5月31日、アステラス製薬 <4503> が発行済み株式数(自社株を除く)の3.04%にあたる6000万株(金額で1000億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は6月1日から9月20日まで。また、「ロキサデュスタット」の血液透析期の慢性腎臓病に伴う貧血患者を対象とした日本における第3相試験で主要評価項目を達成したと発表。このほか、既存治療で効果不十分な関節リウマチの治療薬として「ペフィシチニブ」の国内製造販売承認申請を行ったことも明らかにしている。
■古野電気 <6814> 959円 +15 円 (+1.6%) 本日終値
古野電気<6814>が続伸。同社はきょう、中国の中遠海運科技および同国で船舶用電子機器販売代理店を運営する平成商事(神戸市)との間で、合弁会社設立に関する契約を締結したと発表。18年内の設立・営業開始を予定しており、今後の展開などが期待されたようだ。中遠海運科技は、世界最大の海上輸送能力を持つ中国遠洋海運集団のグループ会社で、交通システムのスマート化や陸上・海上交通の情報化の研究開発・販売・システムインテグレーションなどを推進している企業。合弁会社の出資比率は中遠海運科技が50%、古野電気が40%、平成商事が10%で、中国での内外航船舶や河川運航船舶を対象とする販売・サービス事業を段階的に進めるほか、安全安心かつ効率的な船舶の運航に関わる将来研究に取り組むことを検討するとしている。
■住友精化 <4008> 5,070円 +75 円 (+1.5%) 本日終値
住友精化<4008>が7日ぶりに反発。5月31日の取引終了後、21年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表しており、最終年度に売上高1300億円(18年3月期1059億円)、営業利益130億円(同97億円)を目指すとしたことから、中期成長に期待した買いが入った。吸水性樹脂事業で現在建設を進めている韓国麗水(ヨス)工場の設備増強が貢献するほか、化学品事業で、リチウムイオン2次電池の長寿命化・高容量化に寄与する添加剤や大手のバッテリーメーカーとの連携によるバインダー製品が、採用に向けた性能評価に進んでおり、これら新製品が寄与する見通しだ。
■キーエンス <6861> 67,830円 +1,000 円 (+1.5%) 本日終値
キーエンス<6861>が続伸。トランプ米政権の保護主義政策に対する警戒感が強まるなか、世界的にFA関連株への投資資金流入が減速している。外国人投資家が足もと再び日本株への売り越し姿勢をみせる中で同社株も調整を余儀なくされたものの下げ幅は浅く、13週・26週線が収れんする6万5000円近辺では買い板が厚い。あらゆるものをネットに接続するという概念のIoT時代の到来では、センサー機器が根幹を支えるデバイスであり、センサー大手の同社はその時流に乗る企業として押し目買いニーズが強い。
■ソラスト <6197> 3,690円 +45 円 (+1.2%) 本日終値
ソラスト<6197>が続伸。SMBC日興証券が5月31日付で、投資評価「2」を継続し、目標株価を2700円から3200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、費用性の投資拡大などを新規に織り込んだことで、19年3月期の営業利益予想を53億円から48億円へ、20年3月期を同63億円から55億円へ下方修正したが、積極的なM&Aによる介護事業の拡大や、医療関連受託事業の安定成長などから、順調な収益拡大が続くとの見方は変わらないと指摘。新たに加えた21年3月期は同63億円を見込んでいる。また、今後のM&Aの案件次第で、さらなる利益拡大余地はあるともしている。
株探ニュース