話題株ピックアップ【夕刊】(1):日本通信、山パン、伊藤園

注目
2018年6月4日 15時14分

■日本通信 <9424>  219円  +50 円 (+29.6%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ

日本通信<9424>は連日ストップ高。日証金が1日、日本通信株について4日約定分から制度信用取引の新規売りおよび買いの現引きに伴う貸借取引の申し込み停止措置を実施すると発表した。ただし、弁済繰り延べ期限の来た買いの現引きは除く。貸借取引の規制強化に伴って、売買の自由度が制限されるとの見方があるなかで、きょうは買いが優勢となった。5月31日の取引終了後、日本通信のスマートフォンを用いたフィンテックプラットフォームが、金融庁の「FinTech実証実験ハブ」の支援案件として決定されたと発表したことが引き続き好感されたようだ。

■山崎製パン <2212>  2,681円  +322 円 (+13.7%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

山崎製パン<2212>が急反騰し年初来高値を更新。前週末1日の取引終了後、7月1日出荷分から一部のパン製品価格を値上げすると発表しており、採算性向上への期待から買いが集中した。4月から輸入小麦の政府売り渡し価格が引き上げられたことを受けて、パン製品の主要原料である小麦粉の値上げが実施されるほか、乳製品や油脂などの原材料価格や、電気やガス、軽油などのエネルギーコスト、物流費や人件費などが増加していることが要因としている。対象となるのは、一部の食パン、菓子パンで、平均で3.8%の値上げになるとしている。

■マークラインズ <3901>  2,387円  +221 円 (+10.2%)  本日終値

マークラインズ<3901>が3連騰し、実質上場来高値を更新した。前週末1日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、6月8日付で東証2部から東証1部に指定されることになったと発表しており、TOPIX連動ファンドなどによる買い需要を先取りする形で買われた。同社は、自動車産業関連企業をつなぐオンライン情報サービスを展開。18年12月期連結業績予想は、売上高20億円(前期比19.0%増)、経常利益7億4600万円(同17.3%増)を見込んでいる。

■ユナイテッド <2497>  4,110円  +270 円 (+7.0%)  本日終値

ユナイテッド<2497>は大幅続伸。今月19日に予定されているフリマアプリ最大手、メルカリ<4385>のIPOの公開価格決定に向けた仮条件が1日の取引終了後に発表された。メルカリの仮条件は2700~3000円で決まった。当初の想定仮条件(2200~2700円)から価格は引き上げられ、メルカリの上場時時価総額は最大で4000億円強となる。ユナイテッドは、メルカリの1500万株(議決権べースで12.8%)を保有する大株主。上場時には450万株の売り出しを実施する予定だが、売却後もメルカリの1050万(同7.7%)の株式を保有する見込みだ。この仮条件引き上げで、ユナイテッドが保有するメルカリ株の含み益は増加する格好となったことを好感する買いが流入した。

■伊藤園 <2593>  4,875円  +315 円 (+6.9%)  本日終値

伊藤園 <2593> が3日続伸。1日大引け後に発表した18年4月期の連結経常利益は前の期比0.4%減の214億円で着地。続く19年4月期は前期比4.9%増の225億円に伸び、12期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。前期は主力のリーフ・ドリンク事業、タリーズコーヒーを展開する飲食事業ともに増収・営業増益を確保したものの、為替差損益の悪化が響き、経常利益は微減益となった。今期は「お~いお茶」をはじめとする飲料のブランドを強化するほか、簡便性商品を中心としたリーフ製品の販売拡大を目指す。併せて、発行済み株式数の0.25%にあたる22万株(金額で10億円)を上限とする自社株買いの実施を発表。株主還元の拡充を好感する買いも向かった。

■センコーHD <9069>  916円  +51 円 (+5.9%)  本日終値

センコーグループホールディングス<9069>が大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が1日付で、投資判断「バイ」を継続し、目標株価を1000円から1150円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、ドラッグストア向け物流センターの受託拡大やM&A効果などによる中期的な利益成長を予想。中期計画初年度の18年3月期は年金負担増加などで営業利益が前期比微増にとどまったが、19年3月期以降は新規受託の拡大やコスト増影響分の料金改定、介護などの新規連結効果で2ケタ増益が続くと予想しているという。また、同証券による業績期予想では、19年3月期は新規物流センターの償却費増加の影響で営業利益予想を205億円から200億円へ下方修正したが、20年3月期は新規受託増加により同225億円から226億円へ上方修正している。

■ユニオンツール <6278>  3,925円  +190 円 (+5.1%)  本日終値

ユニオンツール <6278> が急伸。1日大引け後、4日から実施を予定していた62万0100株の立会外分売を中止すると発表しており、これを好感する買いが向かった。同社は5月15日に株式流動性と株式分布状況の改善を目的に立会外分売を実施すると発表していたが、諸般の事情により中止することになった。分売中止の発表を受けて、需給悪化への懸念がなくなり買いが優勢となった。

■デンソー <6902>  5,621円  +259 円 (+4.8%)  本日終値

デンソー<6902>が3日続伸。同社とトヨタ自動車<7203>は1日、両社の主要な電子部品事業をデンソーに集約する方向で検討を開始することで合意したと発表。具体的な合意内容は、2019年末をメドにトヨタの広瀬工場での電子部品生産をデンソーに移管する方向で協議していくほか、22年以降に電子部品の量産開発機能をデンソーに集約することなど。詳細については今後、両社で協議するとしている。

■SBIホールディングス <8473>  3,065円  +138 円 (+4.7%)  本日終値

SBIホールディングス<8473>が大幅高。ここビットコイン価格が上昇基調を強めており、関連銘柄へのマークが強まっている。仮想通貨分野への参入を表明する企業も相次いでいるが、直近では4日付の日本経済新聞が「SBIホールディングスは仮想通貨の交換事業に参入する。4日から営業を始める」と報じたことが株価を強く刺激する格好となった。

■トヨタ自動車 <7203>  7,401円  +279 円 (+3.9%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>など自動車株が総じて上値追い態勢にある。業種別値上がり率でも自動車セクターは首位を争う状況。外国為替市場で1ドル=109円台後半と円安に振れており、輸出採算改善の思惑が株価にポジティブに働いている。イタリアなど南欧の政局混乱に対する懸念もやや後退しており、一部海外ファンドなどが買い戻しに動いているもよう。

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