話題株ピックアップ【夕刊】(1):Vコマース、あさひ、メルカリ

注目
2018年6月26日 15時14分

■バリューコマース <2491>  1,718円  +252 円 (+17.2%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

バリューコマース<2491>が急騰。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は25日、同社株のレーティングを新規「オーバーウエート」でカバレッジを開始した。目標株価は3300円とした。ヤフー・ショッピングの取扱高拡大に貢献するSTORE‘s R∞(ストアーズ・アールエイト)とストアマッチの売り上げ増による利益率の上昇に注目している。STORE‘s R∞はクーポンの効果的な発行を可能にするCRM(顧客関係管理)ツールで、ストアマッチはクリック課金型の広告のこと。ヤフー<4689>はeコマース(物販)で取扱高ナンバーワンを目指すことを掲げており、STORE‘s R∞とストアマッチがVコマースの収益拡大に寄与するとみている。

■あさひ <3333>  1,633円  +203 円 (+14.2%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

あさひ <3333> が大幅高に買われ年初来高値を更新した。25日大引け後に発表した19年2月期第1四半期(3-5月)の経常利益(非連結)が前年同期比13.6%増の33億円に伸びて着地したことが買い材料視された。スポーツサイクルや電動アシスト自転車といった高付加価値品の販売が伸びたことが寄与。コスト低減に加え、値上げが浸透したことなども増益の要因となった。上期計画の40.6億円に対する進捗率は81.4%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■パークシャ <3993>  13,030円  +790 円 (+6.5%)  本日終値

PKSHA Technology<3993>の反騰の機が熟しており要注目。同社は東京大学発の人工知能(AI)ベンチャーで機械学習や深層学習を駆使して業務効率化のアルゴリズムモジュールとアルゴリズムソフトウエアを開発しており、金融や医療分野、外食、小売向けなど幅広い業界で需要を取り込むことに成功している。個別ではNTTドコモ<9437>や電通<4324>など錚々(そうそう)たる企業との間で販売実績がある。また、トヨタ自動車<7203>の出資を受けていることもポイントで、今後の可能性に期待が広がる。AI技術の進歩は想定以上に早く、これまで困難な領域とみられていたバックオフィス業務やマーケティング業務でも利活用され効率化の一翼を担う時代となった。RPA技術への注目も高まるなか、同社はその急先鋒としてマーケットの視線が熱い。業績も好調で研究開発先行のベンチャー企業特有の赤字体質ではない。18年9月期最終利益は固定資産売却により、従来予想の3億7500万円から5億6000万円(前期比2.1倍)に上方修正している。

■メルカリ <4385>  4,545円  +275 円 (+6.4%)  本日終値

メルカリ<4385>は急反発。同社は19日に東証マザーズに新規上場したが、前日まで4日続落しており、この日値を上げて取引を終えれば、終値ベースで上場後初の上昇となる。朝方に一時4165円まで売られ、上場後安値を更新。初値(5000円)からの下落率は約17%に達し、売り一巡後は値頃感からの買いが流入した。上値では戻り売りも予想されるだけに、当面は5000円奪回が焦点となりそうだ。

■エイチ・アイ・エス <9603>  3,410円  +155 円 (+4.8%)  本日終値

エイチ・アイ・エス<9603>が10日ぶりに反発。SMBC日興証券は25日、同社株の投資評価を新規「1」でカバレッジを開始した。目標株価は4800円としている。同証券では同社に対して「現在、2020年以降の新たな成長ステージ入りに向けた転換期に入っている」と指摘。具体的には、(1)旅行事業でのグローバル化の推進を加速(2)「変なホテル」の積極出店(3)桜町再開発プロジェクトなど――を挙げこれらの取り組みによって20年10月以降の利益水準はこれまでより一段と上がると予測。新たな成長ステージ入りに向けた同社の変化を評価している。

■オプトラン <6235>  4,190円  +180 円 (+4.5%)  本日終値

オプトラン<6235>が高い。25日の取引終了後、政府が大学発ベンチャー育成政策の一環として取り組む次世代アントレプレナー育成事業の枠組みの中で、早稲田大学におけるベンチャー育成プログラムの実施に協力すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。同プログラムは、同大学の理工学部博士・修士課程在籍者と経営アシストをする文系学生を募集し複数のチーム編成を行い、その後、学内横断的なベンチャーとして育成するため、経営に必要な知財戦略・技術シーズの事業化・会計等経営管理ノウハウについての研修を実施するというもの。また、その後のビジネスモデルについての選考で選ばれた数チームには、同大学を通じて、予算の付与や政府プロジェクトへの応募・法人設立まで一貫した支援を行うとしており、同社にとって優秀な人材の確保につながることが期待されている。なお、プロジェクト期間は6月から約9カ月間という。

■メイテック <9744>  5,240円  +170 円 (+3.4%)  本日終値

メイテック<9744>が後場上げ幅を拡大。前引け後に自社株買いを発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の自社株買いでは、上限を33万株(発行済み株数の1.17%)、または15億円としており、取得期間は7月2日から8月10日まで。中期経営計画の利益配分計画における総還元性向80%(配当性向60%、自己株式取得20%)程度を考慮したという。

■東海カーボン <5301>  1,982円  +58 円 (+3.0%)  本日終値

東海カーボン<5301>が後場一段高。この日正午ごろ、米国のカーボンブラックメーカーであるシド・リチャードソン・カーボン(SRC)およびその持ち分を有するグループ会社2社の全持ち分を取得し子会社化すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。SRCは、米国における生産能力1位のファーネスブラック製造・販売会社。米国内に3工場を有し、タイヤメーカーを中心に、欧米ユーザーや日系ユーザー向けに確固たる顧客基盤を築いているという。今回の買収により、東海カーボンは中国に次ぐ巨大市場である北米市場の取り込みが可能になるとともに、北米の生産拠点確保によるタイヤ・ゴム部品メーカーへのグローバル供給体制の整備や、欧米ユーザーとのグローバルな取引拡大が可能になるものと期待しているという。なお、取得価額は約341億円で、18年12月期業績への影響は精査中としている。

■マルハニチロ <1333>  4,390円  +125 円 (+2.9%)  本日終値

マルハニチロ<1333>が年初来高値を更新した。自動車や半導体セクターなど主力輸出株は米国と主要諸国との貿易摩擦問題への懸念から総じて売り優勢の展開を強いられているが、相対的に内需系のディフェンシブストックが消去法的に買われている。同社株など水産セクターはその典型であり、きょうは業種別騰落率でも「水産」は数少ない上昇セクター。信用取組は買い残が枯れた状態で信用倍率は直近15日現在で0.33倍と株式需給面の良さも足の軽さにつながっている。

■ビルファンド <8951>  642,000円  +17,000 円 (+2.7%)  本日終値

東証REIT指数、日本ビルファンド投資法人<8951>、ジャパンリアルエステイト投資法人<8952>も新高値に買われた。全体相場が米中貿易摩擦の激化懸念で手掛けにくさを増すなか、内需系出遅れセクターとしてJ-REITを再評価する動きが出ている。一時懸念視された毎月分配型投信からの解約売りも一巡した様子だ。欧米の中央銀行が金融正常化に向かうなか、物価の伸びが鈍る日本では当分は超低金利政策が続くとの見方が出ている。こうしたなか、平均分配金利回りが4%近い水準にあるJ-REITを見直す動きが強まっている。

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