欧米為替見通し:ドル・円は上値の重い展開か、米中貿易問題の不透明感続く

通貨
2018年6月28日 17時25分

28日の欧米外為市場では、ドル・円は上値の重い展開を予想したい。ドイツの政局流動化への警戒でユーロが買いづらいなか、今晩発表の米1-3月期国内総生産(GDP)確定値を手がかりにドル選好地合いが続く見通し。ただ、米国の対中貿易政策の不透明感から、ドル買いは小幅にとどまろう。

ドイツのメルケル首相は今年3月に第4次内閣を発足させたが、政権内では難民・移民政策をめぐりキリスト教民主同盟(CDU)とキリスト教社会同盟(CSU)との対立が深刻化。足元では連立崩壊の思惑が浮上しており、解散・総選挙をにらんだ政局流動化を警戒したユーロ売りに振れやすい地合いとなっている。ユーロ・ドルは1.15ドル前半まで弱含んでおり、支持線とみられる1.15ドルが視野に入った。一方で、ユーロ売りはある程度ドルの押し上げ要因となっている。本日のアジア市場では、日経平均株価や上海総合指数などの動向を手がかりにドル・円は一時的に110円を割り込んだが、その後は110円前半に値を戻した。

こうしたなか、今晩は21時半の米国の1-3月期国内総生産(GDP)確定値が材料視される。前期比年率+2.2%の市場予想を大きく下回らなければ連邦準備制度理事会(FRB)の年内利上げペース加速観測を後押しする材料となり、ドル買いが進むだろう。しかし、米中通商摩擦の不透明感が続き、積極的なドル買いは手控えられそうだ。トランプ米大統領は26日、自国ハイテク企業への中国の投資制限について、既存制度の見直しにとどまるとし、強硬姿勢を和らげたが、その後クドロー国家経済会議(NEC)委員長は「トランプ大統領は中国に対し姿勢を緩めていない」と述べるなど、トランプ政権の姿勢は見極めづらい。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・17:00 欧州中央銀行(ECB)経済報告

・18:00 ユーロ圏・6月景況感指数(予想:112.0、5月:112.5)

・18:30 南ア・5月生産者物価指数(前年比予想:+4.4%、4月:+4.4%)

・21:00 独・6月消費者物価指数速報値(前年比予想:+2.1%、5月:+2.2%)

・21:30 米・1-3月期GDP確定値(前期比年率予想:+2.2%、改定値:+2.2%)

・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:22.0万件、前回:21.8万件)

・23:45 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(米経済と金融政策)

・01:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁が会合出席

・02:00 米財務省7年債入札(300億ドル)

・EU首脳会議(29日まで)

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.