日経平均は4日ぶり大幅反落、目先買い戻しでも先行きは慎重に見極め/ランチタイムコメント

市況
2018年7月11日 12時19分

日経平均は4日ぶり大幅反落。305.69円安の21891.20円(出来高概算7億株)で前場の取引を終えている。

10日の米国市場でNYダウは4日続伸し、143ドル高となった。これから発表が本格化する4-6月期決算に対する期待が高まり、原油高を受けて石油株なども買われた。ただ、米政権が10日、中国に対する制裁関税の追加措置案を公表。2000億ドル(約22兆円)に相当する6031品目に10%の追加関税を課すという。このため、東京市場では通商問題を巡る米中対立の激化を懸念した売りが先行し、日経平均は194円安からスタートした。寄り付き後も下げ幅を広げ、一時21744.25円(452.64円安)まで下落したが、売りが一巡するとやや下げ渋って前場を折り返した。

個別では、トヨタ自<7203>、三菱UFJ<8306>、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、東海カーボ<5301>などが軟調。任天堂<7974>は小幅に下げた。直近で株価急伸する場面があったエーザイ<4523>やヤフー<4689>だが、本日は利益確定売りに押され下げが目立っている。一方、ソフトバンクG<9984>やソニー<6758>は小幅ながらプラスを確保した。レーティング引き上げ観測の出光興産<5019>や良品計画<7453>は物色を集め、大きく上昇している。セクターでは、海運業、ゴム製品、繊維製品などが下落率上位で、その他も全般軟調。上昇したのは石油・石炭製品のみだった。

前引けにかけて日経平均は5日移動平均線レベルでの攻防となっている。朝方の中国株安を警戒した売りが一巡し、上海総合指数なども軟調ながら朝安後は下げ渋っていることから、後場は買い戻しの動きも出てくるだろう。しかし、米国の追加措置に対する中国政府の反応、それに今晩の米国市場の動向などを見極めたいとする思惑から、積極的な押し目買いは限定的となりそうだ。また、今週は12日に安川電<6506>やファーストリテの決算発表が予定されており、今月下旬からは4-6月期決算発表が本格化するとあって、企業業績の動向や先行きについても見極めたいところだ。

目先の買い戻しの動きに乗ることも一案だが、あくまで短期の値動きと割り切って取り組みたい。また、出光興産や良品計画、竹内製作<6432>など、好決算やレーティング引き上げ観測を受けた物色は比較的活発だが、前日買われたヤフーが急反落しているところを見ると資金の逃げ足の速さには警戒する必要がある。(小林大純)

《AK》

提供:フィスコ

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