来週の株式相場見通し=2万2000円台後半で値固め、円安による業績下支えに期待感
来週(17~20日)の東京株式市場は、日本市場が休場期間中の海外株式市場や外国為替相場の影響を受けることになる。株価指数先物主導で、きょう日経平均株価が大幅続伸したことで、過度な先行き調整懸念がやや後退している。ただ、米中貿易摩擦を巡っては、中国からの具体的な報復措置を含めて、今後の両国首脳陣の姿勢次第で、局面が大きく変化する可能性もあり、予断を許さない状況は持続しそうだ。来週は日経平均2万2000円台後半での値固めとなりそうだ。想定レンジは2万2300~2万2900円とする。
市場関係者からは「東京株式市場が3連休控えのなか、海外ヘッジファンドからとみられる株価指数先物主導の仕掛け的な買いが入った。買い手掛かり材料としては、前日のNYダウ平均株価の大幅反発、1ドル=112円台後半まで進行した円安・ドル高による業績下支え期待、6月の中国貿易統計でドル建ての輸出が前年同月比11.3%増と予想を上回る伸びとなったこと、そして12日にファーストリテイリング<9983>が発表した18年8月期第3四半期累計(17年9月~18年5月)決算が好調だったことが挙げられる。ファーストリテは後場一段高に買われ、日経平均を1銘柄約127円分押し上げた。ただ、きょうの大幅高で、日経平均が25日移動平均線(2万2324円25銭=13日終値)を約3週ぶりに上回ってきたことは、投資家心理を改善させている」との見方が出ていた。
日程面では、「海の日」の祝日で東京株式市場は休場(16日)、ユンケルEU委員長が来日し日欧EPA協定に署名、6月の首都圏新規マンション発売(17日)、6月の訪日外国人客数(18日)、6月の貿易統計、カジノ解禁を含む統合型リゾート(IR)実施法案が参院で採決の可能性(19日)、6月の消費者物価指数、5月の全産業活動指数(20日)に注目。
海外では、米ロ首脳会談、中国4~6月期のGDP、中国6月の鉱工業生産・小売売上高・都市部固定資産投資、米6月の小売売上高、米7月のNY連銀製造業景況指数(16日)、パウエルFRB議長が米上院で議会証言、米6月の鉱工業生産・設備稼働率(17日)、米6月の住宅着工件数(18日)、米6月のCB景気先行総合指数(19日)、G20財務相・中央銀行総裁会議(21~22日)が焦点となる。(冨田康夫)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)