米国株式市場見通し:4-6月期決算が本格化
トランプ政権が新たに2000億ドル相当の中国製品に10%の追加関税を課す計画を発表し、引き続き、米中間の通商問題を巡る話題が相場変動のリスクとなるだろう。一方で、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)への制裁解除による譲歩も見られており、事態がこれ以上深刻化する可能性は低い。基本的には4-6月期決算や主要経済指標の結果を受けて素直に反応する展開となりそうだ。
ハイテクでは、動画配信サービスのネットフリックス(16日)、ITサービスのIBM(18日)、オークションサイトのイーベイ(18日)、ソフトウェアのマイクロソフト(19日)などの決算発表が予定されている。ネットフリックスの株価は年初来で約2倍に上昇しており、投資家の関心も高いが、ドイツ銀行は4-6月期の契約者数が予想を下振れる可能性を指摘している。
ハイテク以外では、大手行のバンク・オブ・アメリカ(16日)、ゴールドマンサックス(17日)、モルガン・スタンレー(18日)、医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソン(17日)、航空大手のユナイテッド・コンチネンタル(17日)、金属大手のアルコア(18日)、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス(18日)、複合企業のゼネラル・エレクトリック(20日)などの決算発表が予定されている。アルコアは、精錬能力の3分の1がカナダに集中しており、トランプ政権によるアルミニウム関税がコスト増加を招いているかが焦点となりそうだ。
経済指標では、7月NY連銀製造業景気指数(16日)、6月小売売上高(16日)、7月NAHB住宅市場指数(17日)、6月住宅着工・建設許可件数(18日)、6月景気先行指数(19日)などの発表が予定されている。18日にはFOMCでの基礎資料となるベージュブック(地区連銀経済報告)の発表が予定されている。住宅建設業者の景況感を示すNAHB住宅市場指数は、6月発表値が5月から低下し、今後6ヶ月の販売見通しも同様に下振れた。7月分も予想を下回る内容となれば、住宅市場に対する楽観的な見方が後退するだろう。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ