金融株物色もNT倍率の修正は見極め必要【クロージング】

市況
2018年7月23日 16時16分

23日の日経平均は大幅に続落。300.89円安の22396.99円(出来高概算13億9000万株)で取引を終えた。トランプ米大統領は、「中国やEUなどは為替を操作してきた」と批判したうえで、関税の引き上げに加えて、ドル高への対応を検討する構えを示すなか、円相場は円高に振れて推移。円相場が1ドル110円台を付けるなか、じりじりと下げ幅を広げる展開となり、一時22341.87円まで下落幅を拡大する局面もみられた。その後の不安定な値動きが続く中、大引けにかけてやや下げ幅を縮めるものの、結局は終値では6営業日ぶりに22400円を下回っている。

指数インパクトの大きい値がさ株が総じて軟調な展開となり、ファーストリテ<9983>で日経平均を約112円押し下げている。その他、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>、TDK<6762>、ダイキン<6367>などが重石に。一方で日銀が現在の金融緩和政策に修正を加える可能性があるとの一部報道から長期金利が上昇しており、メガバンクや地銀、ノンバンク等金融株に資金が向かう相場展開となっている。

日経平均はじり安基調が続き、支持線として意識されている25日線での攻防となった。これが支持線として機能するかが注目されそうだが、米中貿易摩擦への警戒のほか、米欧首脳会談での自動車・自動車部品に対する関税導入に関する交渉を見極めたいところであろう。さらに、日銀の出口戦略への思惑から為替相場は円高に振れやすい状況でもあり、指数インパクトの大きい値がさ株を中心に売り仕掛け的な動きが強まる可能性もありそうだ。金融株のリバウンドからNT倍率の修正が意識されてくるようだと、金融株物色が持続する可能性もあろうが、下へのバイアスが強まる局面においては、金融セクターについても、戻り待ちの売り圧力に押されやすいところ。その為、本格化する決算を手掛かりとした個別物色のほか、IPO銘柄でのリスク回避の動きが中心になりそうだ。

《AK》

提供:フィスコ

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