新興市場見通し:新興市場は逆風続きで小型株を個別物色、次回IPOはBB期間に(訂正)
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先週の新興市場では、マザーズ指数や日経ジャスダック平均が軟調な展開となった。日銀による金融政策の修正や主力大型株の決算に投資家の関心が集まりがちで、新興市場はやや売買低調だった。マザーズ売買代金は700億円台にとどまる日も多かった。個別材料株や好決算銘柄に買いが向かったが、全体を押し上げるには至らなかった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.8%であったのに対して、マザーズ指数は-3.6%、日経ジャスダック平均は-1.6%だった。マザーズ指数は7月末にメルカリ<4385>が新たに組み入れられ、時価総額が大きい同社の影響を受けやすくなっている。
個別では、前述のメルカリが週間で1.8%安、MTG<7806>が同1.2%安、ミクシィ<2121>が同2.0%安となるなどマザーズ時価総額上位は全般軟調だった。ジャパンインベストメントアドバイザー<7172>は同12.2%安と下げが目立った。上期決算は好調だったが、材料出尽くし感が広がったようだ。売買代金上位では特許出願が材料視されたGA technologies<3491>や決算が好感されたアドウェイズ<2489>が大きく買われ、エクストリーム<6033>が週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、ベガコーポレーション<3542>やドリコム<3793>が下落率上位だった。ジャスダック主力ではセリア<2782>が同11.5%安、東映アニメーション<4816>が同17.3%高となった。セリアは第1四半期決算が減益となり、東映アニメは業績予想を上方修正した。日本マクドナルドHD<2702>は同1.5%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は同2.6%高だった。売買代金上位ではビジョナリーHD<9263>が急ピッチのリバウンドを見せたものの、ジャストプランニング<4287>は売りがかさんだ。IPOでは8月2日にイボキン<5699>とシステムサポート<4396>の2社が新規上場し、システムサポートは公開価格の約2.3倍となる初値を付けた。
今週の新興市場では、マザーズやジャスダックの主力企業も決算発表のピークを迎えることになる。しかし、全般にポジティブサプライズは乏しいとみられ、引き続き投資家の関心は好決算の東証1部銘柄に向かいやすいと考えられる。あく抜け感による出遅れ訂正に期待したいところだが、決算発表一巡後となりそうだ。値動きの軽い小型の材料株や好業績株が物色の中心となるだろう。
今週は、8月6日にシェアリングテクノロジー<3989>、ジーンテクノサイエンス<4584>、8日にハーモニック、グレイステクノロジー<6541>、シノケングループ<8909>、9日にミクシィ、UTグループ<2146>、マクドナルド、そーせいグループ<4565>、ユニバーサルエンターテインメント<6425>、10日にFFRI<3692>、PKSHA Technology<3993>、ラクオリア創薬<4579>、JMC<5704>、メイコー<6787>などが決算発表を予定している。売上好調が続くマクドナルドの上期決算のほか、上期業績を上方修正済みのJMCも通期予想の動向が注目される。
IPO関連では、8月22日のチームスピリット<4397>上場までお盆休みを挟んだ休止期間となる。そのチームスピリットは6日からブックビルディング(BB)期間に入る。また、先週はand factory<7035>(9月6日、マザーズ)とナルミヤ・インターナショナル<9275>(9月6日、東証2部)の新規上場が発表されている。
《FA》
提供:フィスコ