<話題の焦点>=高い技術力背景に医療機器は着実な成長軌道に
2018年7月に経済産業省が公表した「経済産業省における医療機器産業政策について」によると、日本の医療機器 の市場規模は、04年以降増加に転じ2兆円超で推移、14年には約2兆8000億円に達し、過去最大の市場規模となっている。
その2兆8000億円のうち、金額ベースでは治療機器(カテーテル、ペースメーカーなど)が55%、診断機器(内視鏡 、CT、MRTなど)が22%、その他医療機器(歯科材料、家庭用マッサージ器、コンタクトレンズなど)が23%をそれぞれ占めている。さらに、高齢化進展や新興国の国際需要拡大を受け、医療機器 のグローバル市場は拡大傾向にあり、15年の輸出額・輸入額はいずれも増加傾向となっており、対前年比で輸出約8%増、輸入約4%増となっている。また、経産省は、医療機器産業重点5分野として(1)手術支援ロボット・システム、(2)人工組織・臓器、(3)低侵襲治療、(4)イメージング(画像診断)、(5)在宅医療機器――を挙げており、この分野に関連した機器の開発を促進する。
個別銘柄では、世界シェア約7割を占める消化器用内視鏡 をはじめ、外科手術用内視鏡システムや外科処置具を手掛けるオリンパス<7733>、カテーテルなど心臓血管領域に強みを発揮するテルモ<4543>、循環器治療のPTCAガイドワイヤの朝日インテック<7747>、血球計数機器世界大手のシスメックス<6869>、心房細動関連商品を手掛け、検査用カテーテルで強みを持つ日本ライフライン<7575>に注目したい。
さらに、医療用ディスプレイを手掛ける有沢製作所<5208>、縫合針や眼科ナイフ、歯科治療機器のマニー<7730>、人工透析関連をはじめとするディスポーザブル(使い捨て)医療器具大手のニプロ<8086>、人工透析関連機器や人工膵臓で高シェアを占める日機装<6376>、医療用不織布のトップで、手術などの医療用具を集めたキット製品受注システム「オペラマスター」を展開するホギメディカル<3593>なども見逃せない。
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)