30日の米国市場ダイジェスト:NYダウは137ドル安、対中貿易摩擦への懸念強まる

市況
2018年8月31日 7時38分

■NY株式:NYダウは137ドル安、対中貿易摩擦への懸念強まる

米国株式相場は下落。ダウ平均は137.65ドル安の25986.92、ナスダックは21.32ポイント安の8088.36で取引を終了した。連日の株価上昇を受けた利益確定の動きが広がり、売りが先行。カナダとの通商交渉の行方が注目される中、トランプ大統領が、来週にも中国からの輸入品2000億ドルに対する関税引き上げを実施する意向が伝わり、貿易摩擦が一段と激しさを増すとの懸念から下げ幅を拡大し軟調推移となった。セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や食品・生活必需品小売が上昇する一方で自動車・自動車部品や耐久消費財・アパレルが下落した。

ディスカウントストアのダラー・ツリー(DLTR)は、一部アナリストによる目標株価引き下げを受け急落。ビデオゲームのエレクトロニック・アーツ(EA)は最新ゲームの発売延期を発表したほか、通期見通しを下方修正して大幅下落。クラウドベースの顧客管理ソフトなどのセールス・フォース(CRM)は、決算内容が嫌気され軟調推移。一方で、携帯端末のアップル(AAPL)は、著名投資家バフェット氏が同社株を最近僅かに買い増したことインタビューで発言したほか、製品発表イベントが9月12日に開催することが明らかとなり、新型iPhoneへの期待から買われた。ネット小売のアマゾン(AMZN)は株価が節目となる2000ドルを突破し、アップルに続く時価総額1兆ドル目前に迫っている。

食料品のキャンベルスープ(CPB)は、ヘッジファンドのサード・ポイントから会社全体の売却を検討するよう圧力を受けていたが、国際事業及び生鮮食品部門の売却に踏み切り、投資家の失望売りを誘った。

Horiko Capital Management LLC

■NY為替:リスク回避の円買い強まる、米中貿易摩擦激化を警戒

30日のニューヨーク外為市場でドル・円は、111円48銭から110円96銭まで下落し、111円03銭で引けた。「トランプ大統領は9月初旬にも2000億ドル規模の中国製品への関税発動を支持する姿勢を示した」との報道を受けて、米中貿易摩擦の激化を懸念したドル売り・円買いが広がった。

ユーロ・ドルは、1.1696ドルから1.1642ドルまで下落し、1.1667ドルで引けた。ドイツのインフレ低下、トルコリラの下落で欧州系金融機関への懸念受けたユーロ売りが強まった。ユーロ・円は、130円36銭から129円42銭まで下落。ポンド・ドルは、1.3031ドルから1.2985ドルまで下落。欧州連合(EU)のバルニエ離脱主席交渉官が合意ない離脱にも備える必要があると言及したため、警戒感を受けたポンド売りが再燃。ドル・スイスは、0.9716フランへ上昇後、0.9687フランへ反落した。

■NY原油:続伸で70.25ドル、供給不安などを意識した買いが入る

NY原油先物10月限は続伸(NYMEX原油10月限終値:70.25 ↑0.74)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比+0.74ドルの70.25ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時70.50ドルまで買われた。原油、ガソリン在庫の減少やイラン産原油の供給不安を受けて短期筋などの買いが活発となった。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 31.01ドル -0.13ドル(-0.42%)

モルガン・スタンレー(MS) 49.30ドル -0.65ドル(-1.30%)

ゴールドマン・サックス(GS)239.40ドル -2.00ドル(-0.83%)

インテル(INTC) 48.24ドル -0.51ドル(-1.05%)

アップル(AAPL) 225.03ドル +2.05ドル(+0.92%)

アルファベット(GOOG) 1239.12ドル -10.18ドル(-0.81%)

フェイスブック(FB) 177.64ドル +1.74ドル(+0.99%)

キャタピラー(CAT) 139.06ドル -2.80ドル(-1.97%)

アルコア(AA) 44.37ドル -0.76ドル(-1.68%)

ウォルマート(WMT) 96.10ドル +0.46ドル(+0.48%)

スプリント(S) 6.13ドル 0.00ドル(0.00%)

《HT》

提供:フィスコ

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