新興市場見通し:投資家心理と需給改善でマザーズ戻り歩調、IPOでは2社上場

市況
2018年9月1日 16時34分

先週の新興市場では、米株高など良好な外部環境を追い風に日経平均が節目の23000円台を一時回復するなか、マザーズ指数や日経ジャスダック平均も上昇した。その後、日経平均は短期的な達成感から一進一退の展開となったが、個人投資家のマインドや需給が改善したことで、出遅れ感のある新興市場銘柄への資金流入が続いた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.2%であったのに対して、マザーズ指数は+5.5%、日経ジャスダック平均は+2.1%だった。マザーズ指数は週初に25日線を上抜けしている。

個別では、メルカリ<4385>が週間で4.5%高、MTG<7806>が同3.9%高、ミクシィ<2121>が同3.7%高とマザーズ時価総額上位は全般堅調だった。バイオ株はそーせいグループ<4565>が同10.6%高となるなど強い値動きが続き、業績修正を発表したサンバイオ<4592>は同19.8%高と大きく上昇した。売買代金上位ではALBERT<3906>、エクストリーム<6033>などが引き続き活況で、戻り歩調を強めた中村超硬<6166>や和心<9271>が週間のマザーズ上昇率上位に顔を出した。一方、前週に急伸したモブキャストHD<3664>は利益確定売りに押され、アドバンスト・メディア<3773>などとともにマザーズ下落率上位となった。ジャスダック主力では日本マクドナルドHD<2702>が同0.4%安と小幅に下げたが、強気のレーティング継続が観測されたハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は同12.1%高と大きく上昇した。セリア<2782>も同1.1%高と堅調だった。売買代金上位ではテリロジー<3356>、メイコー<6787>などが続伸し、KDDI<9433>との資本・業務提携を発表したアイサンテクノロジー<4667>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。反面、5G(次世代移動通信システム)関連として人気化していたブロードバンドタワー<3776>は上げ一服となり、日本テレホン<9425>がジャスダック下落率トップだった。

今週の新興市場では、マザーズ指数が7月26日に付けた戻り高値(1067.42pt)及び同水準に位置する75日線に迫り、戻り待ちの売りも出やすいだろう。相場全体としても米・カナダの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉や米中貿易摩擦の行方、米8月雇用統計の内容などを見極めたいとの思惑が強まりやすい。しかし、中小型株は資金回転が利き始めており、個人投資家の物色意欲の強さも窺える。

エクストリームの活況が続き、9月下旬に開催される「東京ゲームショウ2018」を前に他のゲーム関連株にも物色の矛先が向かう可能性があるだろう。また、来年度予算の概算要求の内容が伝わり、自民党総裁選も控えるとあって政策期待が高まりやすい。ALBERTやデータセクション<3905>といったAI(人工知能)関連株に引き続き注目したい。なお、今週は9月5日にアスカネット<2438>、7日にアイリッジ<3917>、日本スキー場開発<6040>、イトクロ<6049>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、9月6日にand factory<7035>がマザーズへ、ナルミヤ・インターナショナル<9275>が東証2部へ新規上場する。and factoryは公開規模がやや大きいものの、アプリ開発ベンチャーとして期待が高まっているようだ。ナルミヤもベビー・子供服メーカーとして知られる。なお、先週はブリッジインターナショナル<7039>(10月3日、マザーズ)の新規上場が発表されている。

《HK》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.