ビューティ花壇 Research Memo(4):単価下落の影響や競争激化により業界淘汰が加速される可能性が高い

特集
2018年9月19日 16時24分

■市場環境

1. 生花祭壇事業

ビューティ花壇<3041>の主力である「生花祭壇事業」の業績は、全国の葬儀件数や1件当たりの葬儀業売上高との相関性が高い。2013年から2017年の年間死亡者数、葬儀件数、葬儀業売上高の推移を見ると、年間死亡者数は年平均1.5%増と年々緩やかに増加しているなかで、それに連動して葬儀件数や葬儀業売上高もわずかながら拡大傾向している。年間死亡者数が増加しているのは、高齢者人口が増加していることが背景にあるが、人口構成から判断すると今後も1ケタ台前半の伸びが続くものと考えられる。

一方、1件当たりの葬儀業売上高は、2013年の1,413千円から2017年の1,406千円と若干下落傾向が見られる。消費者の意識の変化による葬儀の小規模化(簡素化)に加え、比較的参入障壁が低い業界であるがゆえに、異業種からの参入や、低価格パッケージを売りとしたフランチャイズ・チェーンの出現など、市場競争が激化していることが要因である。したがって、今後、企業体力や経営効率に勝る大手を中心として再編が進展することが予想される。また、最近では受注件数の増加策として、ネット受注の強化や直葬への対応が益々重要となっているようだ。

同社のような生花祭壇業を営む事業者は、地域に密着した中小・零細規模の専業者が多いほか、大手の葬儀関連会社が内製化しているところもみられる。前述した葬儀関連業界における環境変化は、当然ながら生花祭壇事業者へのしわ寄せや交渉力にも影響を与え、業界淘汰が加速される可能性が高い。

2. 生花卸売事業

「生花卸売事業」の業績に影響を与える生花(切り花)取扱金額と本数の推移については、2013年からおおむね横ばいで推移してきた。ただ、花卉の市場相場が下落したこともあり、やや減少傾向が続いている。

3. ブライダル装花事業

少子化の影響や婚姻率の低下により婚姻件数は減少傾向にあるが、晩婚化やゲストハウスウェディングの普及に伴い単価は高水準で推移している。したがって、この領域でのシェア拡大が大きな課題となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《SF》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.