プラッツ Research Memo(1):国内市場での継続的成長に加え、新規事業領域の本格的拡大に取り組む

特集
2018年9月21日 15時31分

■要約

プラッツ<7813>は福岡県に本拠を置く介護用電動ベッドの専業メーカー。1992年創業で、介護用ベッド市場への参入は1997年と後発ながら、国内の在宅介護用ベッド市場において、市場シェア第2位(販売台数ベース)のポジションを占めている。

1. 2018年6月期は増収減益で着地。原材料価格上昇や一過性要因が利益を圧迫

同社の2018年6月期決算は、売上高5,559百万円(前期比9.6%増)、営業利益132百万円(同35.1%減)と増収ながら減益で着地した。原材料価格の上昇に加え、一過性の棚卸資産評価損の計上が利益を圧迫した。経常利益段階では持分法による投資利益などにより減益幅が縮小し計画線での着地となった。販売市場別では、医療・高齢者施設市場の売上が計画を上回ったほか、海外市場も計画には未達ながら30%近い増収となった。一方、福祉用具流通市場は前期の高い伸びの反動もあり伸び悩んだ。

2. 新中期経営計画を発表。新規事業領域の拡大や製品のコストダウンに取り組む方針

同社は2019年6月期-2021年6月期の3ヶ年中期経営計画(ローリング中期経営計画)を発表した。新中期経営計画では既存の中核事業の継続的拡大を進めながら、新規事業領域(医療用ベッド、海外市場等)の拡大にこれまで以上に注力するとしている点が特徴的だ。海外市場の拡大や新規のIT製品の取り扱いで、上海企業との業務提携の効果に期待が高まっている。また、新中期経営計画ではコストダウンへの取り組みも強調されている。介護ベッド事業の利益率は上下からプレッシャーを受けつつあることが背景だ。ベトナムでのファブレス体制をベースとしつつ、大胆なコスト削減策で臨むとみられる。

3. 2019年6月期は増収増益を予想。業務提携の進捗やコストダウン策に注目

2019年6月期について同社は、売上高6,320百万円(前期比13.7%増)、営業利益310百万円(同136.6%増)と増収増益を予想している。主力の福祉用具流通市場をはじめ、医療・高齢者施設市場、海外市場が順調に成長する見通しで、注目ポイントは業務提携の進捗やコストダウン策だ。これらは2~3年後の中期的な収益動向に大きな影響を及ぼすとみられる。業務提携内容については主に2つから成っており、ともに計画どおりに進めば同社の中期的な業績計画を押し上げる可能性があると弊社ではみている。

■Key Points

・新規事業領域の拡大や製品コストダウンなどの施策で着実な収益成長を目指す

・業務提携によって、中国での医療介護用ベッドの販売加速と、介護用IT製品の輸入販売に期待が高まる

・製品価格の低下圧力と原材料価格上昇に対抗すべく、生産体制を抜本的に見直しへ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《MH》

提供:フィスコ

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