欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、来週のFFRやFOMCを前に買い手控え

通貨
2018年9月21日 17時25分

21日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想したい。米中貿易摩擦への懸念後退で、株高、米長期金利上昇などを背景にドル買い基調が続く見通し。ただ、来週行われる日米通商協議(FFR)や米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、一段のドル買いは慎重になりそうだ。

前日の海外市場では、米中通商摩擦への懸念が弱まり、リスクオンの流れが強まった。特に、欧州連合(EU)は米国との間で自動車を除く工業製品の関税撤廃などで詳細を交渉中だが、その進展を見込んだユーロ買いが優勢となった。また、英国のEU離脱に向けた協議で双方が合意に達するとの期待感からポンド買いも強まった。欧州通貨の強含みでドル・円は112円付近に押し下げられたが、NYダウの最高値更新などを手がかりに反転し、上値抵抗線として機能していた112円50銭を上抜けた。本日のアジア市場では112円80銭台に強含み、113円台が視野に入っている。

ただ、ポジティブな材料は多いが、目先のドル上昇は小幅にとどまろう。リスクオンで株高が続けばクロス円が上昇基調に振れやすい一方、欧州通貨は対ドルで買いが継続し、ドル・円は上値が抑えられる。また、来週はFFRや日米首脳会談、さらにFOMCが予定されている。なかでもFFRでは日本からの輸入車に対する追加関税の行方が焦点になり、日本株安・円買いの材料に振れる可能性から、積極的なドル買いには動きづらいようだ。ドル・円は節目の113円や7月19日につけた113円17銭は射程圏内だが、そうした重要イベントが波乱なく通過しないと上値を追う展開にはなりにくいと予想される。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・17:00 ユーロ圏・9月製造業PMI速報値(予想:54.5、8月:54.6)

・17:00 ユーロ圏・9月サービス業PMI速報値(予想:54.4、8月:54.4)

・17:00 ユーロ圏・9月総合PMI速報値(予想:54.5、8月:54.5)

・17:30 英・8月公共部門純借入額(銀行部門除く)(予想:+34億ポンド、7月:-20億ポンド)

・21:30 カナダ・8月消費者物価指数(前年比予想:+2.8%、7月:+3.0%)

・21:30 カナダ・7月小売売上高(前月比予想:+0.3%、6月:-0.2%)

・22:45 米・9月製造業PMI速報値(予想:55.0、8月:54.7)

・22:45 米・9月サービス業PMI速報値(予想:55.0、8月:54.8)

・22:45 米・9月総合PMI速報値(8月:54.7)

《FA》

提供:フィスコ

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