欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、軟調なクロス円が上値抑える可能性

通貨
2018年9月27日 17時25分

27日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)による当面の利上げ継続の方針を受け、安値圏ではドルの買い戻しが入る見通し。ただ、ユーロ・円などクロス円がさえない値動きとなり、ドル・円への押し上げ効果は想定しにくい。

25-26日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)での討議を踏まえ、FRBは市場の予想通り3カ月ぶりに利上げを決定。金利予測では、メンバーは2018年あと1回の利上げ、2019年は3回の利上げ予想を維持した。発表後、ドル・円は一時113円14銭まで強含んだが、声明文で「金融政策は緩和的」との文言が削除され、利上げ打ち止めが近いとの思惑も浮上し、米国債利回りが低下、ドル・円は再び112円台に。トランプ大統領のFRB批判も下押しした。

一方、日米首脳会談で注目されていた日本からの輸入車に対する制裁関税が当面は回避され、本日のアジア市場では円買い圧力は弱まった。今晩は前日のFOMCでの決定を消化する見通しで、当面の米利上げ継続方針からドルの買い戻しが入りやすい。また、21時半発表の米国の4-6月期国内総生産(GDP)確定値での高成長維持が手がかりとなろう。反面、クロス円の弱含みがドル・円の上昇を抑える可能性がある。独メルケル政権与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)で会派の人事をめぐる波乱で、メルケル首相の求心力は低下。政局リスクを警戒したユーロ・円の弱含みがクロス円に影響しそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・17:00 ユーロ圏・8月マネーサプライ(前年比予想:+3.9%、7月:+4.0%)

・17:00 欧州中央銀行(ECB)経済報告

・18:00 ユーロ圏・9月景況感指数(予想:111.2、8月:111.6)

・18:30 南ア・8月生産者物価指数(前年比予想:+5.9%、7月:+6.1%)

・21:00 独・9月消費者物価指数速報値(前年比予想:+2.0%、8月:+2.0%)

・21:30 米・8月耐久財受注速報値(前月比予想:+2.0%、7月:-1.7%)

・21:30 米・8月卸売在庫速報値(前月比予想:+0.3%、7月:+0.6%)

・21:30 米・4-6月期GDP確定値(前期比年率予想:+4.2%、改定値:+4.2%)

・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.0万件、前回:20.1万件)

・23:00 米・8月中古住宅販売成約指数(前月比予想:-0.5%、7月:-0.7%)

・23:00 カーニー英中銀総裁が討論会で司会(独フランクフルト)

・02:00 米財務省7年債入札(310億ドル)

・03:00 カプラン米ダラス連銀総裁が討論会出席

・05:30 パウエル米FRB議長が会合出席(米国経済の寸評)

《FA》

提供:フィスコ

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