話題株ピックアップ【夕刊】(2):小野薬、三井物、アスクル
■アスクル <2678> 3,480円 +105 円 (+3.1%) 本日終値
アスクル<2678>は大幅反発。1日の取引終了後に発表した9月度(8月21日~9月20日)の月次業績で、単体売上高が前年同月比8.3%増となり、13カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。台風21号や北海道胆振東部地震の一時的な影響を受けたものの、概ね順調に推移したという。主力分野のBtoB事業が同4.7%増となったことに加えて、LOHACOが37.6%増となったことが寄与。なお、BtoC流通総額は同33.3%増だった。
■小野薬品工業 <4528> 3,308円 +98 円 (+3.1%) 本日終値
小野薬品工業<4528>が大幅高。スウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、今年のノーベル医学生理学賞に京都大特別教授の本庶佑氏ら2人を選んだと発表した。免疫チェックポイント分子(タンパク質)「PD-1」を発見したことが評価された。これをもとに、がん治療薬「オプジーボ」が開発された。授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれる。日本の受賞は2年ぶり。米国籍の2人を含めて計26人となった。「免疫チェックポイント阻害剤」である小野薬品工業のがん治療薬「オプジーボ」は「PD―1」の免疫のブレーキ役となる機能を生かして開発されたもの。ヒトの体内に備わる免疫の仕組みを利用してがんを攻撃する治療法で、抗がん剤、手術、放射線治療に続く第4の治療法として注目を集めている。
■ワークマン <7564> 7,530円 +200 円 (+2.7%) 本日終値
ワークマン<7564>は一時急騰、連日で実質上場来高値を更新した。1日の取引終了後に発表した9月度の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比28.1%増となり、12カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。全国的に気温の変動が大きく、台風などにより降雨量が多かったことで、エアロストレッチブルゾン、ウォームパンツなどの防寒商品や、レインウェア、長靴などの雨関連商品が活発に動いた。なお、チェーン全店売上高は同30.2%増で、ショッピングセンター初出店のららぽーと立川立飛店、ロードサイド店舗の山形南原店などの新店も寄与した。
■三井物産 <8031> 2,077.5円 +45 円 (+2.2%) 本日終値
三井物産<8031>が4日続伸で7か月ぶりの年初来高値を更新した。同社株は9月7日以降、きょうまでの16営業日で下げた日はわずかに1日のみ。一方通行の上昇波動を形成している。ここ原油市況の上昇が顕著で、WTI原油先物価格は前日に2ドル以上の上昇で1バレル=75ドル台まで水準を切り上げており、これは実に3年10カ月ぶりの高値水準。米国ではシェブロンやエクソンモービルなどNYダウ構成銘柄が買われ、株高の原動力となっているが、東京市場でも原油市況の上昇により収益面で追い風が意識される総合商社株に物色資金が集まりやすい状況にある。
■加藤製作所 <6390> 3,490円 +75 円 (+2.2%) 本日終値
加藤製作所<6390>は6日ぶりに反発。同社が8月10日に発表した19年3月期第1四半期(4~6月)の決算は、売上高193億3400万円(前年同期比5.9%減)、経常利益15億8300万円(同35.8%増)と減収ながら大幅増益となった。インフラ関連投資の活発な中国向けに油圧ショベルの販売が大幅な拡大をみせていることが寄与している。さらに同社は8月30日、建設用クレーンや油圧ショベルなどの販売を手掛ける子会社をオランダに設立したと発表した。子会社の設立は、欧州での営業・技術サポートを強化し、オランダを含め欧州全域へ販路を拡大することを主な目的としている。
■日本光電 <6849> 3,665円 +65 円 (+1.8%) 本日終値
日本光電<6849>が連日で年初来高値を更新。大和証券が1日付で投資判断を「3」から「2」へ、目標株価を2940円から3840円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、国内市場の着実な回復や、国内販売体制刷新に伴う自社製品の売上高拡大、米国での生体情報モニタの市場シェア拡大などを見込んでおり、20年3月期から21年3月期にかけて2ケタの営業増益を達成すると予想。19年3月期の営業利益予想を151億円から156億円(会社予想150億円)へ、20年3月期を同160億円から174億円へ、21年3月期を同170億円から192億円へ上方修正したが、当面の好業績は、依然現状の株価に織り込まれていないと指摘している。
■綜合警備保障 <2331> 5,030円 +85 円 (+1.7%) 本日終値
ALSOK<2331>が4日ぶり反発。きょう付けの日経産業新聞で「東京都は都営地下鉄の駅で、案内ロボットと警備ロボットの実証実験を今冬に実施する」と報じられており、警備型ロボット「Reborg-X(リボーグ・エックス)」が富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)などで採用されている同社に思惑的な買いが入ったようだ。9月25日に都が発表した資料によると、案内・問い合わせ対応ロボットを都営大江戸線都庁前駅や上野御徒町駅、警備・警戒・見守り対応ロボットを都営大江戸線新宿西口駅、大門駅、国立競技場駅および都営新宿線馬喰横山駅に設置し実証実験を行うという。なお、実験期間は11月下旬から19年2月下旬までとしている。
■古野電気 <6814> 1,517円 +25 円 (+1.7%) 本日終値
古野電気<6814>は4日ぶりに反発。同社は、魚群探知機、電子海図など船舶用電子機器大手。7月12日、19年2月期通期の連結業績予想について、売上高を790億円から820億円(前期比3.7%増)へ、経常利益を20億円から40億円(同2.2倍)へそれぞれ上方修正した。舶用事業、産業用事業ともに事業環境が概ね想定の範囲内で推移していることに加えて、第1四半期に生産性向上などによる粗利率の改善が予想以上に進んだことが寄与している。また、為替レートがドル、ユーロともに同社の期初想定(1ドル=107円、1ユーロ=130円)よりも円安水準で推移していることも利益を押し上げる要因となる。
■国際石油開発帝石 <1605> 1,460.5円 +23.5 円 (+1.6%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>など資源開発関連株に買いが入った。ここ原油市況が上昇指向を強め、前日のWTI原油先物価格は2ドルを超える大幅上昇で、1バレル=75ドル30セントと約3年10カ月ぶりの高値水準まで一気に切り上げた。これを背景に米国株市場ではシェブロンやエクソンモービルなどが買われ、NYダウ急伸の原動力となった。東京市場でもこの流れが波及、関連銘柄に物色の矛先が向いている。
■トヨタ自動車 <7203> 7,175円 +115 円 (+1.6%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が反発、テクニカル的にも中期トレンドの分水嶺である75日移動平均線を上に抜けてきた。外国為替市場で1ドル=114円台に入る円安が進行、約11カ月ぶりの円安水準に達している。通期想定為替レート106円で設定する同社にとって輸出採算改善から業績の増額要因として改めて意識されている。自動車セクターは米国とも貿易摩擦問題が懸念されていたが、先の日米首脳会談で米国の輸入自動車関税引き上げが回避されたことも買い安心感につながった。
株探ニュース