新興市場見通し:マザーズ指数急反落も物色意欲は衰えず、IPOは3社

市況
2018年10月6日 15時31分

先週の新興市場では、マザーズ指数が急反落した。日経平均の上昇一服感からマザーズ市場でも目先の利益を確定する売りが出た。週半ばからはイタリアの財政不安や米長期金利の上昇を受けて日経平均が連日で3ケタの下落となり、リスク回避の動きが波及した。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.4%であったのに対して、マザーズ指数は-5.2%、日経ジャスダック平均は-0.9%だった。マザーズ指数は週末にかけて25日線や75日線を下回った。

個別では、メルカリ<4385>が週間で6.3%安、MTG<7806>が同4.9%安とマザーズ時価総額上位は全般軟調だった。前週まで買われていたバイオ株ではサンバイオ<4592>が同9.4%安、そーせいグループ<4565>が同12.8%安となった。売買代金上位では東京海上日動火災保険との資本業務提携を発表したALBERT<3906>、直近IPO銘柄のフロンティア・マネジメント<7038>やアズーム<3496>が活況を見せ、業績上方修正や市場変更を発表したテンポイノベーション<3484>が週間のマザーズ上昇率トップだった。一方、リンクバル<6046>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力ではセリア<2782>が同4.1%安と軟調だったが、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は同1.7%高、UTグループ<2146>は同3.7%高となった。日本マクドナルドホールディングス<2702>は同0.4%安となったが、9月既存店売上高の好調を受けて週末にかけて買われた。売買代金上位では直近IPO銘柄のブロードバンドセキュリティ<4398>や極東産機<6233>が人気を集め、週間のジャスダック上昇率上位にも顔を出した。反面、夢の街創造委員会<2484>やラクオリア創薬<4579>が下落率上位となった。IPOでは、ブリッジインターナショナル<7039>が上場2日目に公開価格の約2.1倍で初値を付けた。

今週の新興市場では、外部環境睨みとはなるが押し目買いの動きも出てくるだろう。金利上昇は金融市場全体の波乱要因となり、バリュエーション水準が高いグロース株の売り圧力にもつながる。しかし、先週の日経平均の下落は想定内の調整と捉える向きが多い。新興市場でも直近IPO銘柄の活況ぶりを見ると、個人投資家の物色意欲はさほど衰えていないと考えられる。

今週は、10月9日にエヌ・ピー・シー<6255>、11日に夢の街創造委員会、SHIFT<3697>、12日にフィル・カンパニー<3267>、ロコンド<3558>、エルテス<3967>、UUUM<3990>、サインポスト<3996>、エクスモーション<4394>などが決算発表を予定している。業績好調が続くSHIFTや、7月半ばから株価が大幅高となったUUUMなどの動向が注目される。ただ、個別材料やテーマ性でこれまでに大きく買われている銘柄は、決算内容を慎重に見極める必要があるだろう。

IPO関連では、10月10日にCRGホールディングス<7041>、12日にDelta-Fly Pharma<4598>とイーソル<4420>がいずれもマザーズへ新規上場する。人材サービスのCRGと組み込みソフトウェア開発のイーソルは公開規模の軽量感こそ乏しいが、人気を集めているようだ。Delta-Flyはおよそ1年半ぶりのバイオベンチャーのIPOとなる。なお、先週はアクセスグループ・ホールディングス<7042>(11月6日、ジャスダック)の新規上場が発表されている。

《HK》

提供:フィスコ

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